石造美術の偈頌(げじゅ)   

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項  目 伊派 石大工 偈頌(げじゅ) 光明真言(関東板碑) 格狭間の形 - -

写真:河合 哲雄

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偈頌(げじゅ)索引

鳴(なる)文殊種子板碑(長木家板碑)(部分) (県指定文化財、鎌倉時代後期 元亨二年 1322年、大分県国東市)

心地観経に出る偈(げ)

偈(げ):「文殊師利大聖尊(もんじゅしりだいしょうそん)」「三世諸仏以為母(さんぜしょぶついいも)

「十方如来初発心(じっぽうにょらいしょほつしん)」「皆是文殊教化力(かいぜもんじゅきょうげりき)

[ 文殊師利大聖尊よ、三世の諸仏ををもって母となす。十方の如来が初めて発心するは、皆これ文殊の教化の力なり ]

  石仏と石塔-更新履歴と参考文献!

凡例 :  国宝   重要文化財   府・県指定文化財・県史跡   市・町指定文化財  史跡  重要美術品  指定なし

は行

指定 名       称 制  作  年 所    在    地
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「八葉白蓮一肘間(はちようびゃくれんいっちゅうけん) 炳現阿字素光色(ひょうげんあじそこうしき)
禅智倶入金剛縛(ぜんちくにゅうこんごうばく) 召入如来寂静智(しょうにゅうにょらいじゃくじょうち)(出典:菩提心論)
[ 八葉の白蓮 一肘(いっちゅう)の間に、阿字(梵字「ア」)が純白に輝き現れる。禅智ともに金剛縛に入り、如来の寂静智に召入される ]
はち 東根(ひがしね)石造宝塔  元久元年(1204) 栃木県下野市東根5-1

指定 名       称 制  作  年 所    在    地
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「佛坐道場(ぶつざどうじょう)、所得妙法(しょとくみょうほう)、為欲説此(いよくせっし) 、為當授記(いとうじゅき)(出典:法華経 序品)
[ 仏は道場(悟りを開いた場所)に坐して、得たまえる所の妙法、為(さだ)めてこれを説かんと欲するや、以って当(まさ)に授記したもうべきや。 ]
授記(じゅき):仏が弟子達に、将来成仏するであろうと予言を与えること。記別に同じ。
ぶつ 勝福寺墓地(しょうふくじぼち)阿弥陀三尊種子断碑  康正三年(1457年) 埼玉県川越市寺尾640
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仏種従縁起(ぶっしゅじゅうえんぎ)、是故説一乗(ぜこせついちじょう)     (出典:法華経 方便品
[ 仏種は縁に従って起ると知り、この故に一乗を説きたもう。]
ぶっ 妙国寺(みょうこくじ)(偈頌) 題目板碑  紀年銘不明 宮崎県日向細島373
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「佛身法身(ぶっしんほっしん)、猶如虚空、応物現形 、如水中月」     (出典:金光明経巻第二)
[ 仏身と法身とは、なお虚空の如く、機縁に応じて形を現(あらわ)すこと、水中に現れる月の如し。 ]
ぶっ 山口家(やまぐちけ)文殊種子石塔婆  永享二年(1430年) 宮城県石巻市東福田字馬場
ぶっ 山口家(やまぐちけ)観自在種子石塔婆  永享二年(1430年) 宮城県石巻市東福田字馬場
ぶっ 多福院(たふくいん) 山門脇 不動種子石塔婆  永享七年(1435年) 宮城県石巻市吉野 1-4-9
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「不論不浄(ふろんふじょう)不論心乱(ふろんしんらん)」「但念弥陀(たんねんみだ)即得往生(そくとくおうじょう)
[ 不浄を論ぜず、心乱を論ぜず、ただ弥陀を念ずれば、即ち極楽浄土に往生することができる。] (出典:源信の「敬白念仏勧進」)
ふろ 浄徳寺(じょうとくじ)阿弥陀一尊種子板碑.  弘安七年(1284年) 栃木県足利市県町1545

指定 名       称 制  作  年 所    在    地
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「菩薩於生死(ぼさつおしょうじ)、最初発心時(さいしょほっしんじ)、一向菩提(いっこうぐぼだい)、堅固不可動(けんごふかどう)
[ 菩薩は生死において、最初に発心(ほっしん)するときは、ひたすらに菩提を求めて、堅固にして動かすべからず ](出典:大方広仏華厳経第六、賢首菩薩品第八
ぼさ 稲葉崎(いなばさき) 角塔婆  暦応二年(1339年) 鹿児島県姶良郡湧水町稲葉崎
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「本観理是(ほんかんりぜ) 不観染除(ふかんぜんじょ) 染体自虚(ぜんたいじこ) 本虚名滅(ほんこみょうめい)唐・湛然、法華文句記の文が出典
[ もとより理(ことわり)を是(ただ)しく観ずれども、染(煩悩)を除くことを観ぜず、染体は自から虚しいもので、もとより虚は滅と名づくものである。 ]
ほん 雄島(おしま)胎蔵界大日種子石塔婆  正安元年(1299年) 宮城県宮城郡松島町松島海岸
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「本地法身(ほんじほっしん) 法界塔婆(ほっかいとうば) 大日如来(だいにちにょらい) 三摩耶形(さんまやぎょう)」
[ 本地法身(ものごとの根本)をあらわす、法界(すべての)塔婆は、大日如来の、三摩耶形(本誓を象徴する形)なり ]  (出典未詳)
ほん 慈眼寺(じげんじ)阿弥陀三尊種子板碑 嘉元三年(1305年) 埼玉県狭山市入間川1-9-37
ほん 稲葉崎(いなばさき)不動一尊種子板碑  暦応二年(1339年) 鹿児島県姶良郡湧水町稲葉崎

ま行

指定 名       称 制  作  年 所    在    地
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「毎自作是念(まいじさぜねん)以何令衆生(いがりょうしゅじょう)得入無上道(とくにゅうむじょうどう)速成就仏身(そくじょうじゅぶっしん)

[ 常に自らこの念をなす、何をもってか衆生をして無上道に入り、速やかに仏心を成就することを得しめんと ](出典:法華経 如来寿量品)

まいじ 妙昌寺(みょうしょうじ)永正十四年銘 題目板碑  永正十四年(1517年) 埼玉県東松山市神戸1121
まいじ 妙顕寺(みょうけんじ) 題目板碑  慶長三年(1598年) 埼玉県戸田市大字新曽1707
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「毎日晨朝入諸定(まいにちじんじょうにゅうしょじょう)、入諸地獄令離苦(にゅうしょじごくりょうりく)、

       無仏世界度衆生(むぶつせかいどしゅじょう)、今世後世能引導(こんぜごせのういんどう) (出典:延命地蔵経)

(地蔵菩薩は)毎日早朝に諸々の定(じょう)に入り、諸々の地獄に入って衆生の苦を離れさしめ、                     
                仏なき世界(釈迦涅槃から弥勒下生まで)に衆生を済度し、現世も来世もよく引導したもう。 ]
まいに 山口家(やまぐちけ)地蔵種子石塔婆  貞治四年(1365年) 宮城県石巻市東福田字馬場
まいに 山口家(やまぐちけ)地蔵種子石塔婆  嘉慶三年(1389年) 宮城県石巻市東福田字馬場
まいに 長谷寺(ちょうこくじ)地蔵種子石塔婆  応永八年(1401年) 宮城県石巻市真野字萱原2
まいに 長谷寺(ちょうこくじ)地蔵種子石塔婆  応永十八年(1411年) 宮城県石巻市真野字萱原2

指定 名       称 制  作  年 所    在    地
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「弥陀観音大勢至(みだかんのんだいせいし)、安楽界中諸聖衆(あんらくかいちゅうしょしょうじゅ)、
     為我往生増上縁(いがおうじょうぞうじょうえん)、一切自来常護念(いっさいじらいじょうごねん) (出典未詳)
[ 阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩と安楽界(極楽)の諸聖衆(二十五菩薩)は、わが往生の増上縁となり、一切みずから来たりて、常に護念したもう。]
みだか 長泉院墓地(ちょうせんいんぼち)釈迦種子板碑  正元元年(1259) 千葉県香取市羽根川38
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「弥陀本誓願(みだほんせいがん)、極楽之要門(ごくらくしようもん)、定散等回向(じょうさんとうえこう)、即証無生身(そくしょうむしょうしん)
[ 弥陀の本誓願は、極楽への要門なり、心 定まる人も心 散る人も等しく回向して、速やかに無生身を証せん ] (出典:観無量寿経)
みだほ 円満寺(えんまんじ)阿弥陀一尊種子板碑   文永二年(1265年) 埼玉県熊谷市妻沼台916
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「妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)是大摩訶衍(これだいまかえん)、衆生如教行自然成仏道」    (出典:妙行心要集、源信撰
[ 妙法蓮華経は、これ菩提の正道(大乗。大きい乗物)なり、衆生は教えの如く行ずれば、自然に仏道を成ぜん 。]
みょう 慈恩院(じおんいん)金剛界大日種子石塔婆  永徳三年(1383年) 宮城県石巻市吉野 1-3-15

指定 名       称 制  作  年 所    在    地
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「迷故三界城(めいこさんがいじょう)悟故十方空(ごこじっぽうくう)、本来無東西(ほんらいむとうざい)何処有南北(かしょうなんぼく)

[ 迷うが故に三界(欲界・色界・無色界)は有なり、悟(さと)るが故に十方空なり、本来東西なく、いずくにか南北あらん。]  (古徳之偈)
めい 生福寺(しょうふくじ)勢至種子板碑  元亀二年(1571年) 大阪府泉大津市池浦町3-15-15

指定 名       称 制  作  年 所    在    地
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「文殊師利大聖尊(もんじゅしりだいしょうそん)、三世諸仏以為母(さんぜしょぶついいも)
十方如来初発心(じっぽうにょらいしょほつしん)」「皆是文殊教化力(かいぜもんじゅきょうげりき)」
[ 文殊師利大聖尊よ、三世の諸仏ををもって母となす。十方の如来が初めて発心するは、皆これ文殊の教化の力なり ](出典:心地観経)
鳴(なる)文殊種子板碑 (長木家板碑)  元亨二年(1322年) 大分県国東市国東町東堅来字鳴
長谷寺(ちょうこくじ)石塔婆(断碑)  応永三十年(1423年) 宮城県石巻市真野字萱原2

や行

指定 名       称 制  作  年 所    在    地
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「唯我一人(ゆいがいちにん)、能為救護(のういくご)  (出典:法華経譬喩品
[ ただ我一人(釈迦)のみ、よく救護(くご)をなすなり ]
浄蓮寺(じょうれんじ)七基連刻板碑  文禄四年(1595年) 埼玉県秩父郡東秩父村御堂362

ら行

指定 名       称 制  作  年 所    在    地
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「六大無礙常瑜伽(ろくだいむげじょうゆが) 四種曼荼各不離(ししゅまんだかくふり)
三密加持速疾顕(さんみつかじそくしっけん) 重々帝網名即身(じゅうじゅうたいもうみょうそくしん) (出典:即身成仏義)
[ 六大(地・水・火・風・空・識)は無礙(むげ)にして常に瑜伽(ゆが)である。四種の曼荼羅は各々
離れず関係を持ち、三密を加持すれば速やかに顕れ、帝網の如く無尽に働く、これを即身と名付ける ]
東根(ひがしね)石造宝塔  元久元年(1204) 栃木県下野市東根5-1
八幡(はちまん)神社 金剛界大日種子石塔婆  永享十年(1438年) 宮城県石巻市南境字妙見8

 偈頌(げじゅ)

東根(ひがしね)石造宝塔(部分)(県指定文化財、鎌倉時代前期 元久元年 1204年、栃木県下野市)

即身成仏義に出る偈(げ)

偈(げ):「六大無礙常瑜伽(ろくだいむげじょうゆが) 四種曼荼各不離(ししゅまんだかくふり)

三密加持速疾顕(さんみつかじそくしっけん) 重々帝網名即身(じゅうじゅうたいもうみょうそくしん)

[ 六大(地・水・火・風・空・識)は無礙(むげ)にして常に瑜伽(ゆが)である。四種の曼荼羅は各々

離れず関係を持ち、三密を加持すれば速やかに顕れ、帝網の如く無尽に働く、これを即身と名付ける ]

                                                           石仏と石塔-目次!     

 

  参考文献と更新履歴!

分類別目次 層   塔 宝塔・多宝塔 宝篋印塔 五 輪 塔 石仏(せきぶつ) 笠塔婆
板碑(いたび) 石燈籠 石  碑 石幢(せきどう) 石鳥居 その他 名品
項  目 伊派 石大工 偈頌(げじゅ) 光明真言(関東板碑) 格狭間の形 - -

写真:Tetsuo Kawai