生福寺(しょうふくじ)勢至種子板碑

 生福寺(しょうふくじ)(大阪府泉大津市池浦町3-15-15)

  和泉砂岩製の大型板碑で主尊は勢至種子「サク」、室町時代末期 元亀二年(1571)の紀年銘がある。

生福寺(しょうふくじ)勢至種子板碑(市指定文化財、室町時代末期 元亀二年 1571年、砂岩、高さ 174Cm 幅 31Cm)

本堂に向って左手端、壁際の覆屋内に立つ。身部は、上方に月輪内勢至種子、大日報身真言、阿弥陀三尊種子、下方に銘文を刻む。

板碑 頭部

頭部山形、下に横帯を突出、その中央に一線を刻み二条線・額部とする。身部は、一重線の輪郭を巻き、最上部に日・月を刻む。

身部、上方の刻銘 身部、下方の刻銘

身部上方は、最上部に勢至菩薩の種子「サク」を月輪内に、その下に大日報身真言「ア・ビ・ラ・ウーン・ケン」を天地逆に、

その下に阿弥陀三尊種子「キリーク・サ・サク」を小さく刻む。

身部下方は、中央に「三界万霊十方口六親眷属七世父母・・・、逆修、敬白」、左右に「迷故三界城 悟故十方空」、

「本来無東西 何処有南北」の偈(古徳之偈)を、その下左右に「元亀二年(1571)、辛未」、「二月吉日」の紀年銘を刻む。

さらに、その下全体に十数名の「尼」を付す女性の法名、数名の「禅門」を付す男性の法名を刻み「各位」で終わる。

最上部、月輪で荘厳された勢至菩薩の種子「サク」が主尊とみてよく、生福寺が浄土宗の寺院であるところから勢至菩薩の本地身(

じしん)とされる法然上人を祀り、女性を中心とした念仏衆により建立されたものと思われる。口口口口口口口口口口口口口口口

左右に刻まれた偈(げ)(古徳之偈)

偈(げ):「迷故三界城(めいこさんがいじょう)悟故十方空(ごこじっぽうくう)本来無東西(ほんらいむとうざい)何処有南北(かしょうなんぼく)

[ 迷うが故に三界(欲界・色界・無色界)は有なり、悟(さと)るが故に十方空なり、本来東西なく、いずくにか南北あらん。]

左右に刻まれた紀年銘

向って右に「元亀二年(1571)、辛未、左に「二月吉日」と刻む。

地元産の和泉砂岩製で、貴重な元亀二年(1571)の在銘碑 刻銘:「元亀二年(1571)、辛未

板碑 根部

根部は突出し、表面に蓮座を刻む。

板碑収納 覆屋

壁際、覆屋内に立っている。

 泉井上神社(いずみいのうえじんじゃ)板碑                     石仏と石塔-目次!

生福寺(しょうふくじ)(浄土宗)

 板碑(いたび)

*南海本線「泉大津駅」下車、南東方向へ 徒歩 約19分。または、JR阪和線「和泉府中駅」下車、北西方向へ徒歩 約16分。

(撮影:平成25年6月13日)