勝福寺墓地 阿弥陀三尊種子断碑

 勝福寺墓地(しょうふくじぼち)(埼玉県川越市寺尾640)

  「法華経 序品 第一」に出る偈(げ)を刻んだ板碑で、室町時代中期 康正三年(1457)の紀年銘がある。

勝福寺墓地阿弥陀三尊種子断碑(中央)室町時代中期 康正三年 1457年、緑泥片岩、高さ 74Cm 幅 32Cm)

勝福寺墓地内、お堂の右手に立つ。主尊 阿弥陀種子以上を欠損する。下方は「法華経 序品」に出る偈、造立者名、紀年銘を刻む。

板碑 上部

主尊の阿弥陀種子以上を欠失し、脇侍(観音「サ」・勢至「サク」)が残る。身部は、一重線の輪郭を巻く。

身部下方の刻銘 刻銘:「康正三年(1457)、丁丑、八月時正」

身部下方の刻銘は、中央に「康正三年(1457)、丁丑、八月時正」の紀年銘、

上方・左右に各二行「法華経 序品」に出る偈、下方・左右に各一行「妙秀禅尼」、「逆修敬白」と刻む。

妙秀禅尼の逆修供養(生前中、自らの為に死後の法要を行う)の為、康正三年(1457)八月 彼岸の中日に造立された。

法華経 序品に出る偈(げ)

偈(げ):「佛坐道場(ぶつざどうじょう)、所得妙法(しょとくみょうほう)、為欲説此(いよくせっし) 、以(為)當授記(いとうじゅき)

[ 仏は道場(悟りを開いた場所)に坐して、得たまえる所の妙法、為(さだ)めてこれを説かんと欲するや、以って当(まさ)に授記したもうべきや。 ]

授記(じゅき):仏が弟子達に、将来成仏するであろうと予言を与えること。記別に同じ。

身部下方の刻銘

向って右に「妙秀禅尼」、左に「逆修敬白」と刻む。

 勝福寺墓地(しょうふくじぼち)板碑群 (埼玉県川越市寺尾640)

阿弥陀種子板碑(高さ 79Cm 幅 36Cm)、額部がある。 阿弥陀種子板碑(高さ 75Cm 幅 29Cm)

勝福寺墓地(しょうふくじぼち)板碑群

建長の板碑の対面に、三基の板碑が立っている。

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勝福寺墓地阿弥陀三尊種子板碑(鎌倉時代中期 建長三年 1251年、緑泥片岩、高さ 167Cm 下幅 70Cm)

墓地入口内、右手に立っている。

 板碑(いたび)

*東武東上線 、「新河岸駅」下車、東南方向へ徒歩 約16分。

(撮影:平成25年3月5日)