勝福寺(しょうふくじ)(埼玉県川越市寺尾640)
阿弥陀三尊種子と「法華経 如来神力品」に出る偈を刻んだ板碑で、鎌倉時代後期 嘉元三年(1305)の紀年銘がある。
勝福寺阿弥陀三尊種子板碑(鎌倉時代後期 嘉元三年 1305年、緑泥片岩、高さ 132Cm 下幅 41Cm)
勝福寺本堂に向って左手横、石柵内に立つ。身部上方は阿弥陀三尊の種子、下方は「法華経 如来神力品」に出る偈と紀年銘を刻む。 |
板碑 頭部
頭部山形、下に二段の切込、額部と身部の輪郭はない。
身部、「阿弥陀三尊」の種子を薬研彫する。 | 板碑最下部が土に埋まっていて、刻銘が最後まで読めない。 |
阿弥陀三尊種子は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向って右下 に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を刻む。
三尊とも蓮華座・月輪は刻まない。
身部下方の刻銘
刻銘は、中央に「嘉元三年(1305)、乙巳、六月廿七日」、左右に各二行「法華経 如来神力品」に出る偈を刻む。
偈(げ):「於我滅度後(おがめつどご)、応受持斯経(おうじゅじしきょう)」「是人於仏道(ぜにんおぶつどう)、決定無有疑(けつじょうむうぎ)」
[ 我が(釈迦)滅度(命終)の後に於いて、まさにこの経を受持すべし、この人仏道において、決定して疑いあることなし ]
刻銘:「嘉元三(1305)年、乙巳、六月廿七日」 | 板碑、側・背面 |
勝福寺(しょうふくじ)六面石幢 (江戸時代前期 正保五年 1648年)
六面石幢は幢身の上に中台、龕部(がんぶ)がある複制で、龕部六面に地蔵を刻んでいる
現地の説明では、「六地蔵尊、正保五年 寺尾念仏講中 建立」とあった。
勝福寺(しょうふくじ)本堂 (天台宗)
*東武東上線 、「新河岸駅」下車、東南方向へ徒歩 約16分。
(撮影:平成25年3月5日)