二尊院(にそんいん)五重石塔・十三重石塔

 二尊院(にそんいん)(京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町27)

 本尊に釈迦如来と阿弥陀如来の二尊を祀ることから二尊院呼ぶ。法然上人の高弟である湛空が再興した

 二尊院(にそんいん)五重石塔

二尊院五重石塔(重要美術品、鎌倉時代後期、花崗岩、高さ 274Cm)

初層軸部正面、舟形を彫りくぼめ蓮華座に坐す四方仏を半肉彫りする
二尊院墓地の西北端、三石塔の中央に立ち、相輪を欠失する 初層軸部南面、舟形を彫りくぼめ蓮華座に坐す四方仏を半肉彫りする

五重石塔で造形が似たものに、安養寺跡五重石塔今念寺五重石塔最明寺五重石塔宝厳寺五重石塔地福寺五重石塔小町寺五重石塔 等がある

各層の屋根上部に、上層の軸部をつくりだす形のもので、軒反は美しく、軒下に一重の垂木型を刻出する

初層軸部背面、舟形を彫りくぼめ蓮華座に坐す四方仏を半肉彫りする
初層軸部北面、舟形を彫りくぼめ蓮華座に坐す四方仏を半肉彫りする 古来、土御門天皇墓として伝える。鎌倉後期の初め頃の作品

初層軸部の北面上部に孔が穿たれている

基礎側面は、四面とも輪郭を巻き内に格狭間をつくる

層塔の基礎側面を格狭間で荘厳するのは珍しく、他に水地(王子)九重石塔引摂寺十三重石塔がある

 二尊院(にそんいん)十三重石塔

二尊院(にそんいん)十三重石塔 (鎌倉時代後期、花崗岩)

初層軸部、舟形を彫りくぼめ顕教四仏を半肉彫りする(正面、薬師)
二尊院墓地の西北端、三石塔の北側(右側)に立ち、相輪を欠失する 初層軸部、舟形を彫りくぼめ顕教四仏を半肉彫りする(南面、釈迦)

軒口は薄く、軒下に一重の垂木型を刻出する

初層軸部、舟形を彫りくぼめ顕教四仏を半肉彫りする(西面、阿弥陀)
初層軸部、舟形を彫りくぼめ顕教四仏を半肉彫りする(北面、弥勒) 現在は十層だが、六・七層間の屋根を失い、もとは十三層と考えられる

十三重石塔は、古来から嵯峨天皇墓として伝える。鎌倉時代末期の作品

基礎は、層塔には珍しい、輪郭を巻き内に格狭間をつくる形。半分埋まっている

 祇王寺(ぎおうじ)の二石塔                       石仏と石塔-目次!

二 尊 院 総 門 (市指定文化財)

総門は、伏見城の遺構と伝える薬医門という

石造層塔紀年順  川田堂園(かわだどうぞの)三重石塔 東塔(鎌倉時代後期)  石造層塔-紀年順-目次

*JR嵯峨野線(山陰線)「嵯峨嵐山駅」下車 徒歩20分または京都市バス「嵯峨小学校」下車 徒歩5分

(撮影:平成21年12月22日、平成19年7月15日)