小町寺(こまちでら)五重石塔と宝篋印塔

 小町寺(こまちでら)(正式名:補陀落寺)(京都市左京区静市市原町1140)

  小野皇太后の旧跡や謡曲「通小町(とおりこまち)」に因んで、近世に小野小町が没した所といわれている。天台宗延暦寺派の寺院

  五重石塔(小野小町塔)

小町寺 五重石塔(鎌倉時代後期、花崗岩、高さ 約300Cm)

塔身、初層軸部の顕教四方仏(正面:南面)
五重石塔は、寺の北側に立っている。相輪は後補 塔身、初層軸部の顕教四方仏(東面)

本堂には阿弥陀三尊像を祀り、そばに小野小町老衰像と称する坐像を安置する

側面を三区にした壇上積基壇の上に立つ。初層軸部は顕教四方仏(薬師・釈迦・阿弥陀・弥勒)を刻む

塔身、初層軸部の顕教四方仏(背面:北面)
塔身、初層軸部の顕教四方仏(西面) 基礎三面は輪郭を巻き内に格狭間をつくる

南の墓地は静市・鞍馬両町の惣墓で、鞍馬川(賀茂川)が皇居の御用水として使われた為、流域の人々はこの峠路に死者を葬った。当寺は、墓守として建てられたという

  宝篋印塔(小野皇太后塔)

小町寺宝篋印塔(鎌倉時代後期、花崗岩、高さ 240Cm)

宝篋印塔は、側面を三区にした壇上積基壇の上に立つ

塔身は、月輪内に金剛界四仏の種子を薄く刻んでいる(キリーク:阿弥陀)
相輪は後補、笠は下二段、上六段の段形をつくる 塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(アク:不空成就)

基礎は無地の切石の上に単弁の反花座(かえりばなざ)を別石で置く

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塔は、後冷泉天皇の皇后 小野皇太后の供養塔といわれている 長大な隅飾は、三弧輪郭付きで内は無地。別石で作られている
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*叡山電車「市原駅」下車 徒歩7分。または京都バス「小町寺前」下車 すぐ

(撮影:平成20年5月15日)