金禅寺(こんぜんじ)三重宝篋印塔

 金禅寺(こんぜんじ)三重宝篋印塔(豊中市本町5-3-64)

金禅寺三重宝篋印塔(重要文化財、南北朝時代前期 貞和五年 1349年、花崗岩、高さ 173Cm)

初層笠、段型は下二段、上二段で、上部の軸部を作りだす
石塔は、本堂の前、向かって左側に据えられている 二層目笠、下二段、上三段で、上部の軸部を作りだし、隅飾りは二弧

三層目 笠

段型は下二段、上五段で、隅飾りは二弧

初層塔身正面、舟形を彫りくぼめ定印阿弥陀坐像を半肉彫りする
初層塔身北面、不空成就の種子「アク」を大きく刻む。月輪はない。 相輪は欠失し、別物を載せる。宝篋印塔の笠を三段積重ねた形

笠の各層と二・三層の軸部が逓減され、どっしりとした基礎も相まって、安定感のある美しい姿を見せている

基礎 東面

基礎は、上端二段の段型で、四面とも無地、背面に紀年銘が刻まれている

初層塔身背面、阿閦如来の種子「ウーン」を大きく刻む。月輪はない。
三層の宝篋印塔は、限られた地域にみられる珍しい形式 初層塔身南面、観音菩薩の種子「サ」を大きく刻む。月輪はない。

塔身は像と種子で、金剛界四仏が刻まれているが、南面の宝生如来(タラーク)が観音菩薩(サ)に置きかえられている。

基礎 背面

右側に二行、「貞和五年(1349)己丑十二月廿六日、一結衆等敬白」と刻まれている

金禅寺 本堂

三重宝篋印塔は、同じ豊中市内の宝珠寺に二基、大阪市都島区の都島神社、滋賀県大津市の石山寺に見られる

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金禅寺 表門

金禅寺は万福寺に連なる黄檗宗の寺院

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*阪急電車「豊中駅」下車、北東方向へ徒歩 約7分。

(撮影:平成19年6月23日、平成22年8月31日)