阿弥陀寺(あみだじ)(滋賀県高島市新旭町旭868)
板碑は、もと旧 境内一町(109m)余りの四隅に結界石として建っていたもので、現在は江戸時代中期の宝篋印塔の周りに建っている。
阿弥陀寺(あみだじ)宝篋印塔(江戸時代中期 明和五年 1768年、花崗岩)
阿弥陀寺(あみだじ)四天王結界板碑(花崗岩、高さ 約150Cm 幅 約38Cm)
持国天板碑(表に胎蔵界大日如来の種子「ア」を刻む) | 増長天板碑(表に宝生如来の種子「タラーク」を刻む) |
板碑は、頭部山形で、額部に種子、身部に四天王名と高島郡阿弥陀寺と刻み、背面には四基とも金剛界大日如来の種子「バン」を刻み、その下に方位を示す文字を刻む
宝篋印塔の四隅に建っている板碑
持国天背面(大日種子「バン」の下に「巽」の方位文字を刻む) | 増長天背面(大日種子「バン」の下に「坤」の方位文字を刻む |
板碑背面方位の文字は、持国天が南東を表す巽(そん)、増長天が南西を表す坤(こん)、広目天が北西を表す乾(けん)、多聞天が北東を表す艮(ごん)の一字を刻んでいる
広目天板碑(表に胎蔵界大日如来の種子「ア」を刻む) | 多聞天板碑(表に多聞天の種子「バイ」を刻む) |
板碑の表面、額部(がくぶ)に刻まれた種子は、四天王を表す種子と合っているのは多聞天のみで、他の三基は合っていない。
結界石の古いものでは、茨城県土浦市の「大界外相(たいかいげそう)」と彫られた般若寺結界石(鎌倉中期)や、大津市 小椋神社の瑞垣(鎌倉後期)がある
阿弥陀寺墓地(あみだじぼち)五輪塔 (鎌倉時代後期、花崗岩、高さ 155Cm)
風・空輪、一石からなり、風輪は鉢形、空輪は宝珠の形 | ||
阿弥陀寺(あみだじ)墓地、宝塔の北側に安置されている | 火輪、緩やかに反り、降棟は刻まれていない |
五輪塔は、東近江市 五個荘の「金堂の馬場五輪塔(正安二年 1300年)」や兵庫県西宮市の「浄橋寺 五輪塔(鎌倉時代後期)によく似た形状をしている
水輪、球形に近い形をしている | 地輪、四面とも梵字や銘文は刻まれていないしい |
阿弥陀寺墓地(あみだじぼち)五輪塔
墓地にはこの五輪塔の他、石造宝塔や小五輪塔がたくさん置かれている
*JR湖西線「新旭駅」下車 南東方向へ徒歩 約2分。
(撮影:平成22年11月2日)