金乗寺(こんじょうじ)仁治三年銘 図像板碑

 金乗寺(こんじょうじ)阿弥陀一尊図像板碑 (埼玉県鴻巣市小谷1507)

  阿弥陀如来立像を碑面に刻み、右側の板碑と双式になっている。鎌倉時代中期 仁治三年(1242)の銘がある。

金乗寺 阿弥陀一尊図像板碑(市指定文化財、鎌倉時代中期 仁治三年 1242年、緑泥片岩、高さ 124Cm 下幅 44Cm)

本堂前、墓地入口に安置された板碑の内、向って左端の板碑。身部上方、蓮華座上に阿弥陀如来立像、下方に紀年銘と偈(げ)を刻む。

板碑は、年代も近い 東松山市の香林寺阿弥陀 図像板碑や初期板碑の江南々校阿弥陀三尊図像板碑正代 阿弥陀一尊 図像板碑に構成や尊像がよく似ている。

板碑 上部

頭部山形を破損、下に二条線、額部は薄く突出する。身部は、輪郭を巻かない古い形式。

身部上方、蓮華座上に立つ来迎相阿弥陀如来 身部、下方の銘文

身部上方に二重円光を彫りくぼめ、来迎相の阿弥陀如来立像を刻む。頭光からは、十一対 各二条の放射光を放つ。下部に偈と銘文を刻む。

銘文は、中央に「仁治三年(1242)、壬寅、十月十五日」、左右に各二行で摩訶止観補行の偈、向かって左端に「右入道造立也」と刻む。

摩訶止観補行の偈(げ)

偈(げ):「諸教所讃(しょぎょうしょさん)、多在弥陀(たざいみだ)」「故以西方(こいさいほう)、而為一准(にいいちじゅん)

[ 諸教(経)のたたえる所は、多く弥陀にあり、故に西方をもって、一准(一つの目安)となす ]

摩訶止観補行に出る偈(げ)を刻む板碑は、日本最古の在銘板碑須賀広阿弥陀三尊図像板碑正代 阿弥陀一尊 図像板碑があり、いずれも初期板碑。

コンクリートブロックの覆屋に安置されている板碑群

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金乗寺 (こんじょうじ) (真言宗智山派)

 板碑(いたび)

*JR高崎線 「北鴻巣駅」下車 、西南方向へ徒歩 約15分。

(撮影:平成22年11月20日、平成24年11月11日)