香林寺(こうりんじ)(埼玉県東松山市宮鼻144)
香林寺の南側、越辺川から出土した板碑で、阿弥陀如来を刻む。鎌倉時代中期 仁治二年(1241)の銘がある。
香林寺 阿弥陀図像板碑(市指定文化財、鎌倉時代中期 仁治二年 1241年、緑泥片岩、高さ 88Cm 下幅 42Cm)
本堂の前に立てられた四基の内、向かって右から二番目の板碑。身部上方、蓮華座上に阿弥陀如来、下方に紀年銘と偈(げ)を刻む |
板碑 上部
頭部山形、その下に三条線と額をつくる。身部は、輪郭を巻かない古い形式
身部上方、二重円光を彫りくぼめ、蓮華座上に立つ来迎相の阿弥陀如来像を半肉彫りする。阿弥陀は、やや摩耗している。 |
板碑 下部
下部中央に「仁治二年(1241)辛丑、九月」、左右に二行ずつ観無量寿経の偈(げ)を刻む。
偈(げ):「光明遍照(こうみょうへんじょう)、十方世界(じっぽうせかい)」「念仏衆生(ねんぶつしゅじょう)、摂取不捨(せっしゅふしゃ)」
[ 光明はあまねく十方世界を照らし、念仏の衆生をば摂取して捨てたまわず。]
板碑の構成は、造立年代も近い 鴻巣市の金乗寺(こんじょうじ)に立つ仁治三年(1242)銘 阿弥陀図像板碑に良く似ている。 |
板碑 背面
本堂前に並ぶ四基の板碑
*東武東上線 「高坂駅」下車 、東南方向へ 約1.1Km。
(撮影:平成22年11月19日、平成24年11月11日)