鼓神社(つづみじんじゃ)石造宝塔

 鼓神社(つづみじんじゃ)(岡山県岡山市上高田3628)

  南北朝時代前期の作で、細部に技巧を凝らした類例まれな石造宝塔

鼓神社石造宝塔(重要文化財、南北朝時代前期 貞和二年 1346年、花崗岩、高さ 415Cm)

笠軒は厚く、軒口を垂直に切る。上部に露盤、屋根に三筋の降棟を刻出する
石塔は、鼓神社拝殿の向かって左奥に立っている 笠軒裏には隅木・繁垂木を薄く刻む。塔身上部は、高欄・首部等を細かく刻む

塔身正面は、龕を彫り金剛界大日如来坐像を厚肉彫りする。上部は高欄から上を別石で、技巧を凝らして作っている

塔身の両側面は、扉型を刻みだす
塔身背面は、三行にわたって刻銘を刻む 細部の技巧と比し、相輪が太く笠の軒が厚い等、やや洗練度に欠ける

塔身背面の刻銘:「大勧進沙門正因」「貞和二年(1346)十月二日造立之」「大工妙阿」

基礎正面は二区に分け、それぞれ格狭間をつくり、内に近江孔雀文様を刻んで対向孔雀とする

相輪は当初のもので、少し大きく、請花等細かく刻まれている 屋根の軒反は鋭く、降棟とあいまって美しく表現されている

基礎の向かって左側面は、二区に分け、それぞれの格狭間内に、茎がついた開蓮華を対象形で彫刻する

基礎下には、厚く彫られた複弁の反花座(かえりばなざ)を設けている

塔身 正面、智拳印を結ぶ金剛界大日如来坐像 大工 妙阿の刻銘があり、十五年後の足守八幡神社石鳥居と同作者

基礎の向かって右側面は、二区に分け、格狭間をつくり、右に開蓮華、左に三茎蓮を彫刻する

基礎三面の側面は、二区、格狭間、内部 趣向を凝らした近江文様で、残る一面(基礎背面)は無地となっている

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鼓 神 社

仁寿元年(851)の創建で備中二宮にあたる

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*JR岡山駅前から中鉄バス「岡山空港バス停」下車、北西方向へ 徒歩 約60分。

(撮影:平成20年12月19日)