矢田(やた)宝篋印塔

 矢田(やた)宝篋印塔 (岡山県岡山市山上2632)

  塔身の二面に阿弥陀・地蔵を陽刻する宝篋印塔で、南北朝時代 中期 貞治五年(1366)の紀年銘がある。

矢田(やた)宝篋印塔 (市指定文化財、南北朝時代中期 貞治五年 1366年、花崗岩、高さ 156Cm)

塔身正面、舟形を彫りくぼめ蓮座上に坐す阿弥陀如来を半肉彫りする。
「山上口バス停」の上り側・下り側を挟む交差点の北東側に立つ。 塔身西面、素面とする。

宝篋印塔は、県道72号線 新設工事に伴い、元位置から北北東に約40m離れた小丘上に移された。

段型は下二段、上六段、隅飾りは二弧で薄い輪郭が残り内は無地、直立する。

塔身北面、素面とする。
塔身東面、舟形を彫りくぼめ蓮座上に立つ地蔵菩薩を半肉彫りする。 塔身の二面に阿弥陀と地蔵の彫刻があり、珍しい形となっている。

基 礎

上端は二段、正面と両側面の三面は輪郭を巻き内に格狭間をつくる。背面は素面で刻銘がある。

相輪は、下から伏鉢・請花・九輪・請花・宝珠で、九輪は六輪の上で折れ修理を施す。全体に欠けた所はなく、当初の姿が見られる。

この地域は寒村にもかかわらず、鼓神社(つづみじんじゃ)石造宝塔を始めとする中世石造遺品が多数残っている。

基礎 背面

背面は無地で「貞治五年(1366)、四月十三日、一結衆」の刻銘がある。

「一結衆」の刻銘は、字体が異なり追刻の可能性があるとみられている。

基 壇

切石からなる。

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山上口バス停(岡山駅方面行き)から見た宝篋印塔

小墓地の最上段に安置されている。

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*JR山陽本線 岡山駅前から中鉄バス「 リハビリセンター前」行きに乗車、「山上口バス停」下車 東へ徒歩 約2分。

(撮影:平成26年3月28日)