祇園寺（ぎおんじ）（岡山県高梁市巨瀬町2674）

　 　山深い神仏混淆の寺院に立つ大型の石造宝塔で、南北朝時代中期 延文二年（1357）の紀年銘がある。

祇園寺（ぎおんじ）石造宝塔 （県指定文化財、南北朝時代中期 延文二年 1357年、花崗岩、高さ 385Cm)

		塔身正面（東面）、仏龕をほりこみ、四方仏を半肉彫りする。
大型の石造宝塔は、広い境内の南西隅に立っている。		塔身南面、仏龕をほりこみ、四方仏を半肉彫りする。

四方仏は、薬師・釈迦・阿弥陀・弥勒の顕教四仏が刻まれているものと思われる。

笠

軒口厚く、上端に露盤、屋根に降棟、その先端に稚児棟、軒裏に一重の垂木型を薄く刻む。

塔身西面、仏龕をほりこみ、四方仏を半肉彫りする。
塔身北面、仏龕をほりこみ、四方仏を半肉彫りする。		基壇は割石で積上げ、上に葛石を敷き、基礎を載せる。

塔　身

塔身上部に縁板状や二段の首部をつくる。塔身軸部の四方に仏龕をほり、内に四方仏を半肉彫りする。

相輪は下から、伏鉢・複弁請花・九輪・単弁請花・宝珠。		屋根の軒反は鋭く、四隅に風鐸を吊った穴が残っている。

基礎正面（東面）

基礎正面は、二区に分け、内に銘文を刻む。

刻銘：「敬白、奉建立石塔、勧進金剛仏子栄覚、延文二年（1357）五月口日、大旦那隆善、十方旦那合力、後世善口」

岡山市の鼓（つづみ）神社石造宝塔とよく似た作風。		塔身軸部、北面の四方仏

基礎 北面

正面（東面）を除く三面は、輪郭を巻き内は無地。

　祇園寺（ぎおんじ）十三重石塔　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　石仏と石塔-目次！

祇園寺（ぎおんじ）（真言宗善通寺派 別格本山）

標高 約500ｍの山頂に建つ祇園寺は、弘仁三年（812） 弘法大師により開かれたという。

石造宝塔紀年順

八剣神社（やげんじんじゃ）石造宝塔（南北朝時代）

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＊JR高梁駅前 高梁バスセンターから備北バス 川面駅行きに乗車、「六名口バス停」下車、北北西方向へ 徒歩 約45分。

（撮影：平成26年 1月 6日）