長岳寺(ちょうがくじ)弥勒石棺仏・十三重石塔

 長岳寺(ちょうがくじ)(奈良県天理市柳本508)

 長岳寺は、淳和天皇の勅願により、天長元年(824)に弘法大師空海が創建したと伝えられる高野山真言宗の寺院

  長岳寺(ちょうがくじ)弥勒石棺仏

長岳寺(ちょうがくじ)弥勒石棺仏(鎌倉時代中期、凝灰岩、高さ 240Cm)

弥勒石棺仏は古墳の石棺の蓋石を利用し、二重円光背を彫り込み厚肉彫りした弥勒仏。右手は施無畏印、左手は下げ手の甲を表にする

 長岳寺(ちょうがくじ)石造層塔

長岳寺(ちょうがくじ)石造層塔(鎌倉時代後期、白色凝灰岩、高さ 約400Cm)

塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を薬研彫りする(アク:不空成就)
珍しい白色の石塔。現在、八層で本堂の右側に立っている 塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を薬研彫りする(キリーク:阿弥陀如来)

塔身、キリーク(阿弥陀)上部に納入孔がある

  長岳寺(ちょうがくじ) 十三重石塔

十三重塔屋根石、不ぞろいで、現在十二層
十三重石塔(鎌倉時代後期、花崗岩、高さ 約300Cm、相輪欠損) 初層軸部、舟形を彫りくぼめ阿弥陀如来を半肉彫りする

初層軸部、舟形を彫りくぼめ獅子に乗る文殊菩薩を半肉彫りする。文殊信仰を広めた西大寺流 叡尊(えいそん)の供養塔と伝えるゆえんである

初層軸部、舟形を彫りくぼめ地蔵菩薩を半肉彫りする
初層軸部、舟形を彫りくぼめ僧形を半肉彫りする 初層軸部の四方仏は、通常と異なり大変珍しい。

長岳寺本堂(江戸時代後期 天明三年 1783年再建)

本尊の阿弥陀三尊像を安置する

  長岳寺(ちょうがくじ)笠塔婆・宝篋印塔                          石仏と石塔-目次!

旧地蔵院(重要文化財、江戸時代初期 寛永七年 1630年再建)

長岳寺四十八ヶ坊の塔頭の内、唯一残った塔頭で、内部は書院造、屋根は杉皮を用いた大和葺き、玄関の屋根は桧皮葺。清楚で、なんとも美しい建物

 石  仏-紀年順-目次

層塔紀年順  春日神社(かすがじんじゃ)石造層塔(鎌倉時代後期)  石造層塔-紀年順-目次

*JR桜井線 「柳本駅」下車、徒歩 約20分。

(撮影:平成18年5月27日、平成21年6月9日)