慈恩院(じおんいん)観音種子石塔婆

 慈恩院(じおんいん)(宮城県石巻市吉野1-3-15)

  中列、向って右から三番目。「百ヶ日忌」(本地仏:観音)に造立された石塔婆で、室町時代前期 応永三年(1396)の在銘。

慈恩院(じおんいん)観音種子石塔婆 (室町時代前期 応永三年 1396年、粘板岩、高さ 118Cm 幅 41.5Cm 厚さ 14Cm

頭部は山形に成形。身部は、上方 月輪内に大きく観音種子、月輪の内側に沿って「大日如来 法身・報身真言」、下方に願文・紀年銘を刻む。

石塔婆 上部

「百ヶ日忌」の本尊 観音菩薩の種子「サ」を月輪内に薬研彫する。

大日真言は、月輪の内側下部を基点として、時計方向に「ア、バン、ラン、カン、ケン」(大日如来法身真言)、

反時計方向に「ア、ビ、ラ、ウン、ケン」大日如来報身真言)を刻む。(※ 起点「ア」・終点「ケン」の梵字は共用)

石塔婆、下方の刻銘 (全文) 刻銘:應永三年(1396)十一月

刻銘は、中央に「応永三年(1396)十一月十四日、施主、 敬白」、

左右に右志者相当良珎大徳百ケ日忌」、「景乃至法界衆生平等利益故也」と刻む。

本石塔婆は「百ヶ日忌」供養のため造立、身部に刻む本尊は種子「サ」(観音菩薩)となっている。

慈恩院(じおんいん)阿弥陀種子石塔婆

 慈恩院(じおんいん)(宮城県石巻市吉野1-3-15)

  石塔婆群、中列 向って左端。三回忌(本地仏:阿弥陀)に造立された石塔婆で、室町時代前期 応永五年(1398)の在銘。

慈恩院(じおんいん)阿弥陀種子石塔婆 (室町時代前期 応永五年 1398年、粘板岩、高さ 121Cm 幅 21.5Cm 厚さ 18.5Cm

頭部は欠損する。身部は、上方 月輪内に阿弥陀種子、その下二行で「往生本縁経」に出る偈(げ)、下方に三行で願文・紀年銘を刻む。

石塔婆 上部

月輪内に阿弥陀如来の種子「キリーク」を刻む。阿弥陀は、「三回忌」の本尊。

種子の下、観世音菩薩往生浄土本縁経に出る偈(げ) 石塔婆下方、刻銘 (願文・紀年銘)

観世音菩薩往生浄土本縁経に出る偈(げ)

偈(げ):「一念弥陀仏(いちねんみだぶつ)、即滅無量罪(そくめつむりょうざい)」、「現受無比楽(げんじゅむひらく)、後生清浄土(ごしょうしょうじょうど)

[ 一たび阿弥陀仏を念ずれば、ただちに無量の罪を滅ぼし、まのあたりに無比の楽を受け、後生には浄土に生まれん。]

刻銘は、中央に「應永五年(1398)、戊寅、正月十二日、敬白」、左右に右志趣者為明守律師第三年、忌乃至法界平等利益故也」と刻む。

「三回忌」の追善供養のため造立された石塔婆で、本尊は種子「キリーク」(阿弥陀如来)となっている。

慈恩院(じおんいん)胎蔵界大日種子石塔婆

 慈恩院(じおんいん)(宮城県石巻市吉野1-3-15)

  前列、向って右から四基目。七回忌に造立された石塔婆で、室町時代前期 応永八年(1401)の在銘。

慈恩院(じおいん)胎蔵界大日種子石塔婆 (室町時代前期 応永八年 1401年、粘板岩、高さ 121Cm 幅 38Cm 厚さ 22Cm)

身部は、上方 蓮座上月輪内に胎蔵界大日種子「アーンク」、その下四行で梵字「光明真言」、下方は三行で願文・紀年銘を刻む。

石塔婆、上方

月輪内に胎蔵界大日如来の種子「アーク」を薬研彫する。

光明真言 (梵字)

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」、「シャナ、マ、カーボ、ダラ」、「マ、ニ、ハンドマ、ジンバ、ラ」、「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン、ダ」

石塔婆、下方の刻銘 (全文)

刻銘は、中央に「應永八年(1401)二月時正、孝子、敬白」、

左右に右志者為相当妙相禅尼七年忌、乃至法界衆生平等利益故也」と刻む。

七回忌の本地仏は阿閦(あしゅく)だが、清谷寺十三仏種子板碑 等、初期の十三仏板碑は七回忌が胎蔵界大日(アーク)となっている。

※ 多福院と慈恩院の石塔婆(当HP,掲載分) 時代別一覧

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慈恩院(じおんいん)石塔婆群

 板碑(いたび)

*JR石巻線・仙石線 「石巻駅」下車、南東方向へ徒歩 約1.7Km。

(撮影:平成26年4月10日)