善峰寺(よしみねでら)(京都市西京区大原野小塩町1372)
善峰寺の山上墓地に、観性、証空、蓮生の墓があり五輪塔が安置されている。
善峰寺(よしみねでら)五輪塔 三基、向かって左から観性、証空、蓮生 墓 (鎌倉時代、花崗岩)
観性法橋(かんせいほうきょう)五輪塔
空・風輪、一石からなり、空輪は宝珠の形 | ||
三基並んだ向かって左端の五輪塔、水輪の形に特徴がある | 火輪、緩やかに反っている |
観性法橋(かんせいほうきょう)は、葉室中納言顕隆の孫で天台座主を務めた権僧正顕真の弟。善峰別所といわれた三鈷寺(さんこじ)を応保元年(1161)に中興した
水輪、縦に長い球形でどっしりとしている | 地輪、四面とも無地で刻銘はない |
善恵房証空(ぜんねぼうしょうくう)五輪塔
空・風輪、一石からなり、空輪は宝珠の形 | ||
三基並んだ中央の五輪塔、証空上人(1177〜1247年)の墓 | 火輪、軒口厚く、緩やかに反る |
証空(しょうくう)は、法然の高弟。観性との関係で、慈円が当寺に住し、慈円を慕って証空が善峰寺 蓮華寿院に入った。後に証空は、西山浄土宗の祖となる。
当サイトで紹介している兵庫県西宮市生瀬町の浄橋寺(じょうきょうじ)は、証空上人の開いた寺院で多くの石造美術品を残している
水輪、最大径が下方にあり、補修の際、逆に置かれたと思われる | 地輪、四面とも無地で刻銘はない |
宇都宮頼綱(うつのみやよりつな)(実信房蓮生)五輪塔
空・風輪、一石からなり、空輪は宝珠の形 | ||
三基並んだ向かって右端の五輪塔、宇都宮頼綱(1172〜1259年)の墓 | 火輪、軒口厚く、緩やかに反る |
宇都宮頼綱は北条時正の女婿で歌人としても知られる。元久二年(1205)出家し、実信房蓮生と号した。正元元年(1257)に没し、遺言により証空上人の傍に葬った。
水輪、最大径が下方にあり、補修の際、逆に置かれたと思われる | 地輪、四面とも無地で刻銘はない |
重文の多宝塔の周りをはじめ、善峰寺の境内は秋色に染まっていた
本庄家一族の塔
三基の五輪塔の手前に、桂昌院(徳川綱吉の生母)の実弟で、桂昌院の庇護を受けて大名になった本庄宗資(本生松平初代)など本庄家の塔が立っている
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*JR東海道本線「向日町駅」、又は阪急京都線 「東向日駅」下車、阪急バス 善峰寺行きに乗車、終点「善峰寺バス停」下車 徒歩。
(撮影:平成22年11月25日)