阿弥陀三尊磨崖仏(京都府木津川市加茂町岩船三大)
わらい仏は、当尾(とうの)のシンボル。やわらかい笑みで、あたたかく迎えてくれる。伊派石大工 伊(猪)末行(いのすえゆき)の作品。
阿弥陀三尊磨崖仏(府指定文化財、鎌倉時代後期 永仁七年 1299年、花崗岩、中尊像高 76Cm)
中尊 阿弥陀如来坐像、薄肉の二重円光背を負い、蓮華座に坐す定印の阿弥陀如来を半肉彫りする。螺髪や衲衣など細かく刻まれている |
阿弥陀三尊磨崖仏 (笑い仏)
大岩が笠のように乗り、下の巨石に蓮華座上に坐す阿弥陀三尊像が刻まれている
勢至菩薩(せいしぼさつ)坐像、蓮華座上で坐し合掌する。 | 観音(かんのん)菩薩坐像、蓮華座上で坐し蓮台を捧げる。 |
伊派石大工の一人、伊(猪)末行(いのすえゆき)の作品
舟形を彫りくぼめ阿弥陀三尊像を半肉彫りする。向かって左下の岩面に刻銘がある
この地は、古くは小田原と呼ばれ興福寺の領地であった。岩船寺もその頃、興福寺一乗院の末寺で、末行はその関係で仕事をしたと思われる。
刻銘:「大工末行」 | 刻銘:「永仁七年(1299)二月十五日、願主岩船寺住僧」 |
岩船寺僧の発願により、鎌倉時代中期の永仁七年(1299)に石大工 伊(猪)末行により造立された
合掌する勢至菩薩と刻銘
刻銘:「永仁七年(1299)二月十五日、願主岩船寺住僧・・・・・、大工末行」、伊派石大工 伊末行 永仁七年(1299)の作品
当尾の石仏のシンボル的な存在、当尾で最も有名な石仏
伊(猪)末行は、ここより東にある線刻みろく磨崖仏(文永十一年 1274年)と同作者で、末行が「みろく磨崖仏」を
制作してから25年を経過している。また、この作品以降 末行の名は見当たらない為、末行の晩年の作品になる。
眠り地蔵(ねむりじぞう)(京都府木津川市加茂町岩船)
眠り地蔵 (南北朝時代、花崗岩)
わらい仏の向かって左側前にある。埋もれて頭部しか見えない。
*JR大和路線 加茂駅東口から奈良交通バス 加茂山の家行き乗車、「岩船寺バス停」下車 徒歩。
(撮影:平成19年1月8日・5月27日、平成20年10月4日、平成22年1月14日・2月3日)