常楽寺(じょうらくじ)九重石塔

 常楽寺(じょうらくじ)(兵庫県加古川市上荘町井ノ口158)

  加古川市には、加古川町の常楽寺と当 上荘町の常楽寺があり、それぞれに県指定文化財の石造美術品を有している。

常楽寺(じょうらくじ) 九重石塔(県指定文化財、鎌倉時代後期、花崗岩、高さ 457.5Cm)

塔身は縦長で、直接 金剛界四仏の種子を刻む(正面、アク:不空成就)
石塔は、本堂に向かって右手上方に立っている 塔身は、直接 金剛界四仏の種子を刻む(西面、ウーン:阿閦如来)

八、九層 屋根

九層屋根は、上端に露盤を造りだし、上辺中央に直径16Cm、深さ14.7Cmの相輪を受ける枘穴(ほぞあな)を穿っている

塔身、金剛界四仏の種子を刻む(背面、タラーク:宝生)下方に奉籠孔を穿つ
塔身に直接、金剛界四仏の種子を刻む(東面、キリーク:阿弥陀如来) 石塔は、相輪を欠失する。また、もと十三重石塔であったとの説もある

塔身は、現在、南面(正面)が不空成就の種子「アク」になっていて、180°逆に据えられている。従って奉籠孔のあるタラーク(宝生如来)の面が正面であった。

初層 屋根

各層、屋根の軒口は厚く、先端で力強く反っている。軒下の垂木型はない

初層屋根、先端 この層塔は、播磨地方を代表する鎌倉時代後期の遺品

基  礎

基礎は、二石の切石からなり、刻銘はない

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常楽寺(じょうらくじ) 本堂

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* JR加古川線「厄神駅」下車、北東方向へ 徒歩 約35分。上荘橋を渡り加古川の対岸(北岸)に出る。加古川沿いの道を東方向へのんびりと歩く。

(撮影:平成22年5月17日)