報恩寺(ほうおんじ)十三重石塔と石棺仏

 報恩寺(ほうおんじ)(兵庫県加古川市平荘町山角466-1)

 元明天皇の和銅六年(713)の開基と伝えられる現在真言宗の寺院。中世石造美術品の宝庫

報恩寺十三重石塔(県指定文化財、鎌倉時代後期 元応元年 1319年、花崗岩、高さ 564Cm)

塔身は四面とも無地で、種子や四方仏は刻まれていない
石塔は本堂の西側、墓地の入口に堂々と立っている 基礎は、方形の切石を二石合わせる。西面に刻銘がある(写真:下)

各層の屋根は厚く、塔身部で水平に切り、軒反は力強い

十九尺塔として造られ、各層 逓減された美しい姿を見せている 相輪の伏鉢は上部を残し欠失し、九輪は二ヶ所接着補修する

基礎の西面に「常勝寺、元応元年(1319)己未、十一月六日」の刻銘がある

常勝寺は、十三重石塔を造立した当時の名称で、その後報恩寺に改称したものと考えられている

  報恩寺(ほうおんじ)四尊石棺仏

   加古川市が属する播磨地方は全国的に見て石棺仏が極端に多い地方で、播磨のおもだった石仏といえばほぼ石棺仏である

報恩寺四尊石棺仏(南北朝時代前期 文和二年 1353年、流紋岩、高さ 79Cm 幅 68Cm)

向かって左から二体目の像の右に文和二年、左に二月の刻銘がある 組合せ式石棺の側石を利用し、四体の阿弥陀仏を半肉彫りする

四体の阿弥陀仏は定印を結び、線刻された蓮座上に坐す

舟形を彫りくぼめた内に、像高18.8Cm・面長7.2Cm・膝張り15.8Cmの定印を結ぶ阿弥陀如来を四体連続して刻む

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報 恩 寺 本 堂

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*JR加古川線「神野駅」下車、徒歩 約4Km。加古川駅より神姫バスの便がある

(撮影:平成19年9月24日、平成21年8月7日)