一乗寺(いちじょうじ)石造笠塔婆

 一乗寺(いちじょうじ)(兵庫県加西市坂本町821-17)

 西国三十三ヶ所の第二十六番札所。笠塔婆は、町石の意味を含んでいる

一乗寺石造笠塔婆(県指定文化財、鎌倉時代後期 正和五年 1316年、流紋岩、高さ 290Cm)

頂部に宝珠と連弁を刻んだ請花(うけばな)を頂く
石造笠塔婆は、一乗寺入口の正面に立っている 笠の上端は露盤、下端は薄く平板状の垂木型を刻出する

塔身は30Cm角で正面に刻銘がある。基壇と石柵は後補、笠の軒反が時代を表している

塔身上部に胎蔵界大日如来の種子「アーク」、その下に「金輪聖王 自金堂一町、正和五(1316)十二月廿一日、依 勅造立之」の刻銘がある

基礎は切石の基壇上に置かれ、上端は複弁反花、側面は四面とも素面

一乗寺(いちじょうじ)九重石塔

一乗寺(いちじょうじ)石造九重塔(市指定文化財、南北朝時代中期、花崗岩、高さ 313Cm)

初層軸部正面、金剛界四仏の種子を刻む(タラーク:宝生如来)
九重石塔は、奥の院 「賽(さい)の河原」 の西側に立っている 初層軸部西面、金剛界四仏の種子を刻む(キリーク:阿弥陀如来)

屋根は、各層屋根の上部に上層の軸部をつくりだす。軒裏の垂木型は刻まれておらず、軒反は両端で反っている

初層軸部背面、金剛界四仏の種子を刻む(アク:不空成就)
初層軸部東面、金剛界四仏の種子を刻む(ウーン:阿閦如来) 屋根は、五層から九層が後補で、当初の屋根よりやや薄い

相輪は他の石塔の伏鉢・請花・宝珠を載せる

基礎は四面とも素面

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一乗寺金堂(本堂、大悲閣)(重要文化財、江戸時代前期 寛永五年 1628年再建))

 笠塔婆(かさとうば)

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*JR・山陽電車 姫路駅前より、神姫バス 社行乗車 「一乗寺」下車 すぐ

(撮影:平成21年8月19日)