五輪坊墓地(ごりんぼうぼち)五輪塔(福島石川郡玉川村大字岩法寺字方丈147)
岩手県平泉町の釈尊院五輪塔、大分県臼杵市の中尾五輪塔(嘉応塔)、同 承安塔に次いで古い治承五年(1181)の在銘五輪塔。
五輪坊墓地五輪塔 (重要文化財、平安時代後期 治承五年 1181年、安山岩、高さ 194Cm)
JR水郡線「泉郷駅」から、北北東に徒歩 約30分の小堂内に安置される。平安時代から鎌倉時代へ移行する形状を有する貴重な在銘作品。 |
五輪塔の各輪は、無地で梵字は刻まれていない。
火 輪
軒口厚く、特徴的に大きく反る。頂部に露盤を刻出する
水 輪
個性的な球形で、上部に納入孔がつくられている
地 輪
向かって右側に「施主口口入道」、左に「治承五年(1181)辛丑十一月日、為源基光尊」の刻銘がある
刻銘:「治承五年(1181)辛丑十一月日、為源基光尊」 | 地輪、向かって右側の刻銘:「施主口口入道」 |
石川地方の二代目領主であった源基光のために治承五年(1181)に造立された旨の刻銘がある
奥州を舞台とした前九年の役で戦功のあった源有光は、康平六年(1063)以来五百有余年に亘って石川地方を支配した。この有光の子が二代目領主 源基光である。
火輪 上部
上端に露盤をつくり出した部分が残っている
火輪先端の強い反り | 五輪塔の敷地内にある板碑、二条線を刻み額部が突出する |
五輪塔を安置する小堂
小堂は、正面扉の上部に格子が入り、施錠されている
八幡神社前 釈迦一尊種子板碑
八幡神社前 釈迦一尊種子板碑 (凝灰岩)
五輪塔を見て泉郷駅に戻る途中、五輪塔から南西方向へ約400mの八幡神社の前に二基の板碑があった
頭部 山形の下に二段線、額部は両端を面取りし、突出する。身部の上方に釈迦如来の種子「バク」を薬研彫しその下に刻銘がある |
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*JR水郡線「泉郷駅」下車、北北東方向へ徒歩 約30分。
(撮影:平成22年11月18日)