六年(ろくねん)六尊種子自然石塔婆(仁治の碑)(群馬県富岡市下高尾15)
金剛界五仏と薬師如来の種子が刻まれている鎌倉時代中期 仁治四年(1243)の自然石塔婆
仁治の碑 (県指定文化財、鎌倉時代中期 仁治四年 1243年、緑泥片岩、高さ 276Cm 最大幅 96Cm)
上信鉄道「東富岡駅」の北 約2.5Km、東富岡駅の東側の道を北方向に行き、県道10号線に突き当る川の手前に立っている |
石碑は、金剛界五仏と薬師如来の種子が刻まれている。近在の甘楽町にある「仁治の板碑(仁治三年:1242年、金剛界五仏の種子を刻む)」と良く似ている
六尊(金剛界五仏と薬師如来)の種子の下、右横書きで「仁治四年(1243)大歳癸卯二月廿六日」と刻む
上部に、二列で金剛界五仏と薬師如来の種子を月輪内に刻む | 下部には、壬生・小野・藤原・春日・物部など二十数名の人名を刻む |
種子は、向かって右上から下に「バン(金剛界大日)」、「キリーク(阿弥陀)」、「アク(不空成就)」、
左上から下に「ウーン(阿閦)」、「タラーク(宝生)」、「バイ(薬師)」が、直径37Cmの月輪内に刻まれる
下部は「壬生・小野・物部・六人部(むとべ)・藤原・阿部・春日・大宅」姓で、当時この地域にいた二十数名の有力者の姓名を刻む
群馬県では、小島田の供養碑 (仁治元年 1240年)、仁治の板碑(仁治三年 1242年)についで古い 仁治三年(1242年)の作品 |
インターネットで調べた「仁治の碑」の位置(地図)が違っていた為、探しまわっていたら、近くの墓地で しだれ桜が美しく咲いていた |
*上信電鉄「東富岡駅」下車、北方向へ 約2.5Km。当方は、上州福島駅で無料のレンタサイクルを借りて行った。六年六尊種子自然石塔婆の六年は、当地の旧地名 下高尾字六年からきている。
(撮影:平成22年4月7日)