仁治(にんじ)の板碑(多井戸種子自然石塔婆)

 多井戸(おおいど)種子自然石塔婆(仁治の板碑)(群馬県甘楽郡甘楽町小川470)

  金剛界五仏の種子が刻まれ、大きさも古さもある鎌倉時代中期 仁治三年(1242)の自然石塔婆

仁治の板碑 (町指定文化財、鎌倉時代中期 仁治三年 1242年、緑泥片岩、高さ 348Cm 幅 83Cm)

上信鉄道「上州福島駅」の南 約500m、小川にかかる橋の袂(たもと)に立っている。長い間、ここを通る鎌倉街道の石橋として使われていた

碑石とわかり、明治14年(1881)に当地に移転されたという。現在は、注連縄が張られ御神体のごとく扱われている。

上部に、金剛界大日如来を頂上に金剛界五仏の種子が刻まれている 下部には、仁治三年(1242)の紀年銘 他が刻まれている

金剛界五仏の種子は、上から「バン(大日)」、「ウーン(阿閦)」、「タラーク(宝生)」、「キリーク(阿弥陀)」、「アク(不空成就)」が刻まれる

下部は四行にわたり仁治三年(1242)壬刁二月八日、・・・・・・平等也、合力巳上三十余人」の碑文が刻まれる

鎌倉時代中期の仁治三年(1242)に、近隣の中級以上の結衆三十余人により造立された

上部に刻まれた金剛界五仏の種子、最下部「アク:不空成就 下部に刻まれた「仁治三年(1242)壬刁二月八日」の紀年銘

 仁治(にんじ)の碑(六年六尊種子自然石塔婆)                 石仏と石塔-目次!

板碑として、群馬県では小島田の供養碑(仁治元年 1240年)についで古い、鎌倉時代中期 仁治三年(1242年)の作品

 板碑(いたび)

*上信電鉄「上州福島駅」下車、南方向へ 約500m。上州福島駅では、無料のレンタサイクルが利用できる。

(撮影:平成22年4月7日)