熊野速玉大社 熊野詣記念碑

 熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)(和歌山県新宮市新宮1番地)

   江戸時代中期における奥州の熱心な熊野信仰を証明する碑で、貴重な石塔。

熊野速玉大社 熊野詣(くまのもうで)奉八度記念碑 (江戸時代中期 宝永八年 1708年)

神門の手前、参道右手に立つ。角柱の頭部を丸め、正面上方に「奉八度参詣」、下方に「奥州南部八戸領 吉田金右衛門」と刻む。

刻銘は、正面に「奉八度参詣、奥州南部八戸領久慈、八日町 吉田金右衛門、年七十三、右側面に「宝永五年(1708)子七月日」と刻む。

熊野速玉大社は全国の熊野神社の総本宮。本石塔は、交通の不便な江戸時代中期において、奥州の熱心な熊野信仰を物語っている。

刻銘:「奉八度参詣、年七十三 、 「奥州南部八戸領久慈、八日町 吉田金右衛門」 

熊野速玉大社 五輪塔板碑

熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ) 五輪塔板碑 (年代不明、花崗斑岩)

もと神倉山にあった板碑と思われる。社務所前、前述板碑二基の奥に立つ。身部は、正面舟形で輪郭を巻き、内に五輪塔形を陽刻する。

側面から背面は、船底形に粗仕上げ、正面の五輪塔 火輪に地蔵種子「カ」、火輪下方から水・地輪にかけて、地蔵立像を薄肉彫りする。

身部下方

火輪から水・地輪の中央を、舟形に彫りくぼめ蓮座上に、右手錫杖、左手宝珠の地蔵立像を薄肉彫りする。

地輪の両側に、文字らしいものを見るが内容は不明。二基の板碑より時代は下がるものと思われる。

熊野速玉大社 地蔵石仏

熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ) 地蔵石仏

社務所前、前述板碑二基の近くに立つ。方形の石を枠取りし 内部を彫りこんで、蓮華座上に立つ右手錫杖・左手宝珠の地蔵を半肉彫りする。

頂部中央に枘(ほぞ)が残り、当初は笠があったと思われる。

熊野速玉大社 五輪塔

熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ) 五輪塔

社務所前、前述板碑二基の近くに立つ。空輪の宝珠形が、ややへしゃげている。

 高野山町石五輪卒塔婆、1~12町石(奥院側)                  石仏と石塔-目次!

熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)

 石  碑(せきひ)

*JR紀勢本線「新宮駅」下車、北西方向へ 徒歩約15分。

(撮影:平成25年8月2日)