安養寺(あんようじ)(和歌山県日高郡みなべ町芝605-1)
阿弥陀種子「キリーク」と六字名号「南無阿弥陀仏」を刻んだ複合板碑で、紀年銘はないが室町時代の遺品と推定されている。
安養寺(あんようじ)阿弥陀種子・名号複合板碑 (町指定文化財、室町時代、砂岩自然石)
板碑群 東列、向って右側の板碑で、身部は先端に阿弥陀種子「キリーク」、中央から下方に「南無、阿弥、陀佛」と刻む。 |
板碑 頭部
先端に阿弥陀如来の種子「キリーク」を刻む。
阿弥陀種子と名号を同時に刻んだ珍しい複合板碑。中央の六字名号は、上方に「南無、阿弥」、下方に「陀佛」と刻んでいる。 |
阿弥陀種子・名号複合板碑の代表的なものに真名板薬師堂 阿弥陀種子・名号複合板碑(埼玉県行田市)や青鳥城跡 阿弥陀種子・名号複合板碑(埼玉県東松山市)がある。
安養寺(あんようじ)(和歌山県日高郡みなべ町芝605-1)
安養寺(あんようじ)異体阿弥陀種子板碑 (県指定文化財、室町時代、砂岩自然石)
境内の板碑群南列 六基中、向って右から二基目に立つ。板碑は、上方左側に阿弥陀種子、右端に追刻の名号が刻まれている。 |
身部 上方
左側、阿弥陀種子の上方に宝珠様の二点を加え荘厳する。右端に後世の追刻による六字名号「南無阿弥陀仏」が線刻されている。
尚、「板碑の総合研究 地域編」(柏書房)では、本板碑の主尊を地蔵種子「イ」とし、「地蔵一尊種子板碑」と紹介している。
主尊種子、現地説明では異体の阿弥陀種子としている。 | 後世の追刻:「南無阿弥陀仏」 |
安養寺(あんようじ)(和歌山県日高郡みなべ町芝605-1)
観音菩薩の種子「サ」を主尊とする板碑で、江戸時代中期 宝暦中年(1760)の紀年銘がある。
安養寺(あんようじ)観音種子板碑 (県指定文化財、江戸時代中期 宝暦十年 1760年、砂岩)
境内の板碑群南列、向って左端に立つ。板碑は、上方に観音菩薩の種子「サ」、下方に四角形の彫りくぼめを作り、左側に「宝暦十歳(1760)」と刻む。
刻銘:「宝暦十歳(1760)」 | 現地説明による観音種子「サ」は、肉眼ではほとんどわからない。 |
身部 下方
中央に四角の彫りくぼめ、左に「宝暦十歳(1760)」の刻銘がある。
真砂(まなご)阿弥陀三尊種子板碑(伝清姫墓) 石仏と石塔-目次!
安養寺(あんようじ)種子不明板碑 (和歌山県日高郡みなべ町芝605-1)
安養寺(あんようじ)種子不明板碑(東列、左側、指定なし)
*JR紀勢本線「南部駅」下車、北方向へ 徒歩 約6分。
(撮影:平成25年7月9日)