青鳥(おおどり)城跡 阿弥陀種子名号複合板碑(埼玉県東松山市石橋1310)
青鳥城跡の小林家墓地に立つ板碑で、阿弥陀 種子の下に六字名号が刻まれた複合板碑。鎌倉時代後期 正中三年(1326)の銘がある。
青鳥城跡 阿弥陀種子名号複合板碑 (市指定文化財、鎌倉時代後期 正中三年 1326年、緑泥片岩、高さ 247Cm 下幅 60Cm)
青鳥城跡西端の小林家墓地に立つ。身部上方に阿弥陀如来の種子、その下に「南無阿弥陀仏」の六字名号を刻んだ珍しい複合板碑 |
板碑 上部
頭部は尖った山形、その下に二段の切込をつくる。身部の輪郭はない
身部上方、蓮華座上に刻まれた阿弥陀如来の種子「キリーク」 | 身部下方、名号を挟んで左右に偈、さらに銘文を刻む |
板碑、下方の偈(げ)
偈(げ):「光明遍照(こうみょうへんじょう)、十方世界(じっぽうせかい)」「念仏衆生(ねんぶつしゅじょう)、摂取不捨(せっしゅふしゃ)」
[ 光明はあまねく十方世界を照らし、念仏の衆生をば摂取して捨てたまわず。]
蓮華座上に「南無阿弥陀仏」の六字名号を刻む | 板碑、下方の銘文 |
板碑、下方の銘文
銘文:中央に「正中三年(1326)丙寅卯月八日」、向かって右に三行「右為一結念仏衆二世悉地成、沙弥明圓、大旦那沙弥了願」、
向かって左に三行「就圓満乃至法界平等利洞也、沙弥覚圓、幷念仏衆百人敬白」
大檀那沙弥了願、沙弥妙円、沙弥覚円の三名の他、百名もの念仏衆が結集してこの板碑を造立したことは、専修念仏の広がりを見る意味でも注目に値する。
「四月八日」 釈迦誕生日の銘があり、青鳥城跡の虎御石も同日銘 | 中央 刻銘:「正中三年(1326)丙寅卯(四)月八日」 |
板碑 根部
根部は、薄く突出する。
*東武東上線 「森林公園駅」下車、南方向へ 約2Km。
(撮影:平成22年11月19日、平成24年4月21日)