新福寺(しんぷくじ)阿弥陀種子二連板碑

 新福寺(しんぷくじ)(千葉県香取市香取1833)

   地蔵院の二連板碑とほぼ同形式で、主尊は左右とも阿弥陀種子。鎌倉時代後期 正和五年(1316)に造立されている。

新福寺(しんぷくじ)阿弥陀種子二連板碑(鎌倉時代後期 正和五年 1316年、黒雲母片岩、高さ 116Cm 幅 60Cm)

新福寺墓地に立つ。一枚石に板碑形を二基刻んだ形状で、どちらも阿弥陀種子「キリーク」を主尊とする。板碑形間と左右に銘文を刻む。

板碑 頭部

各々、頭部山形の線刻、下に二条線、その下に五大四門の梵字 東方発心門「キャ・カ・ラ・バ・ア」を刻む。

連碑、向って左側、阿弥陀の種子「キリーク」 連碑、向って右側、阿弥陀の種子「キリーク」

各々の阿弥陀種子は、五大四門の梵字や長い瓔珞(ようらく)のついた天蓋、豪華な蓮台等で荘厳する。

種子間の境界線を挟んで左右に各一行、「右口口為七分全得乃至口口元万口口口口」、

「正和五年(1316)丙辰九月日沙弥西仏口口口口口敬白向って右端に「大日金剛奉口口口自然光口慶口口不口法浄口」、

左端に「口人口仏口口者口口通口口口口父母口生身口口口口口継」と刻む。

形式的には、直線距離で約400m西にある地蔵院大日種子二連板碑(乾元二年 1303年)とほぼ同じ形式の板碑で、本板碑の方が十三年新しい。

連碑 下方

各々、豪華な蓮台で主尊を荘厳する。

本板碑は、新福寺墓地にあり、新福寺にある板碑としては、古い方に属する。

新福寺(しんぷくじ)観音種子板碑

 新福寺(しんぷくじ)(千葉県香取市香取1833)

   碑面に観音菩薩の種子「サ」を刻んだ下総板碑で、室町時代中期 明応八年(1499)に造立されている。

新福寺(しんぷくじ)観音一尊種子板碑(室町時代中期 明応八年 1499年、黒雲母片岩、高さ 80Cm 幅 66Cm)

新福寺墓地に立つ。頭部水平、身部は中央に天蓋(てんがい)と蓮座で荘厳された観音種子「サ」、左右に願文と紀年銘を刻む。

刻銘:「明應八天(1499)、己未、十月十九日 刻銘:「奉供宗智禅門菩提」

碑面の向って右側に奉供宗智禅門菩提」、左側に明應八天(1499)、己未、十月十九日の紀年銘が刻まれている。

新福寺(しんぷくじ)金剛界大日種子板碑

 新福寺(しんぷくじ)(千葉県香取市香取1833)

  新福寺墓地にある下総板碑で、 金剛界大日種子を主尊とする。室町時代中期 明応十年(1501)の紀年銘がある。

新福寺(しんぷくじ)金剛界大日一尊種子板碑 (室町時代中期 明応十年 1501年、黒雲母片岩、高さ 87Cm 幅 45Cm)

新福寺墓地にある。身部は駒形(五角形)の輪郭を巻き、中央に天蓋と蓮座で荘厳された金剛界大日種子「バン」、左右に願文と紀年銘を刻む。

板碑 頭部

頭部は山形気味、二条線はなく、身部は駒形の輪郭を巻く。輪郭内上部に天蓋を線刻する。

天蓋と蓮座で荘厳された金剛界大日如来の種子「バン」。 刻銘:「干[日之](とき)明應十天(1501)辛酉四月日」

刻銘は、碑面の向って右に右為口弥口口禅門菩提也左に日之(とき)明應十天(1501)辛酉四月日と刻む。

日之は一文字で日之は、「とき」と読む。

 新福寺(しんぷくじ)虚空蔵種子双式板碑                     石仏と石塔-目次!

新福寺(しんぷくじ)板碑群

 板碑(いたび)

*JR成田線 佐原駅前から千葉交通バス 県立病院・香取神宮・神里経由小見川行きに乗車、「香取神宮バス停」下車 南東方向へ約600m。

(撮影:平成25年3月13日)