新福寺(しんぷくじ)(千葉県香取市香取1833)
碑面に虚空蔵種子を並列に刻んだ双式の下総板碑で、安土桃山時代 天正二年(1562)の紀年銘がある。
新福寺(しんぷくじ)虚空蔵種子双式板碑(安土桃山時代 天正二年 1574年、黒雲母片岩、高さ 89Cm 幅 66Cm)
新福寺墓地に立つ。身部は、駒形の輪郭内頂部に共有の天蓋、中央に蓮座上の虚空蔵種子「タラーク」を並列に、種子間中央に
紀年銘、左右に造立趣旨(三十三回忌)を刻む。また、中央部最下方に小さい「阿弥陀種子」、左右に三回忌の願文が追加で刻まれている。
板碑 頭部
頂部は山形気味。身部は、駒形(五角形)の輪郭を巻き、輪郭内頂部に共有の天蓋を線刻する。
身部の刻銘
身部、向って右側に「奉造立石佛一躰道明禅門逆修七分全得故・・・・・・」、左側に「奉口志者為妙讃禅尼卅三回菩提也」
種子間に「天正二年(1574)甲戌、八月時正日施主、敬白」、最下部阿弥陀種子「キリーク」の左右に「・・・・・・・、第三年忌菩提也」と刻む。
身部 中央
蓮座上に虚空蔵菩薩の種子「タラーク」が並列に薬研彫されている。
主尊 虚空蔵菩薩(タラーク)は、三十三回忌にわりあてられた十三仏事の仏・菩薩。
刻銘:「天正二年(1574)、甲戌、八月時正(彼岸の中日)」 | 板碑最下部、蓮座上に阿弥陀如来の種子「キリーク」 |
身部最下方、阿弥陀種子「キリーク」の左右に「・・・・・・・、第三年忌菩提也」と刻まれている。
阿弥陀如来(キリーク)は、三回忌にわりあてられた十三仏事の仏・菩薩。
新福寺(しんぷくじ)(千葉県香取市香取1833)
金剛界大日を主尊とし、釈迦・虚空蔵を脇侍とする三尊種子を刻んだ下総板碑で、室町時代 永正十一年(1514)の紀年銘がある。
新福寺(しんぷくじ)金剛界大日三尊種子板碑 (室町時代 永正十一年 1514年、黒雲母片岩、高さ 100Cm 幅 57Cm)
新福寺墓地に立つ。頭部水平、身部は中央に天蓋(てんがい)、その下に金剛界大日三尊種子、中央と左右に願文・紀年銘を刻む。
板碑 頭部
頭部水平、身部は表面が荒れ輪郭は不明。最上部に天蓋が刻まれている。
三尊種子は上方に金剛界大日種子「バン」、向って右下に阿弥陀種子「キリーク」、左下に虚空蔵種子「タラーク」を蓮座上に刻む。 |
刻銘は、碑面の上方に「為妙善禅尼十三年也」、下方向って右端に「為高阿弥逆修也」、下方中央に「妙栄逆修也」、
下方左端に「永正十一年(1514)甲戌十月吉日」の紀年銘が刻まれている。主尊の大日如来(バン)は、十三回忌にわりあてられた十三仏事の仏・菩薩。
新福寺(しんぷくじ)(千葉県香取市香取1833)
金・胎 大日種子を主尊とする下総板碑で、在俗出家 夫妻と思われる男・女の逆修供養に造立された。室町時代後期 天文二年(1533)の紀年銘がある。
新福寺(しんぷくじ)大日種子双式板碑 (室町時代後期 天文二年 1533年、黒雲母片岩、高さ 64Cm 幅 45Cm) |
新福寺墓地にある。身部は中央に金剛界大日種子「バン」と胎蔵界大日種子(五点具足)「アーンク」を並列に、左右に願文、下辺に紀年銘を刻む。
身部中央、金・胎 大日種子
向って右に金剛界大日種子「バン」、左に胎蔵界大日種子(五点具足)「アーンク」を並列に刻む。
刻銘は、碑面の向って右に「為妙金禅尼逆修善根也」、左に「為性慶禅門逆修善根也」、下辺に「天文二天(1533)癸巳八月日」と刻む。
新福寺(しんぷくじ)阿弥陀種子双式板碑(千葉県香取市香取1833)
新福寺(しんぷくじ)阿弥陀種子 双式板碑 (紀年不明、黒雲母片岩)
新福寺墓地にある。身部は、阿弥陀種子「キリーク」を並列に刻み、各々天蓋(てんがい)と蓮台で荘厳する。刻銘は、不明。
*JR成田線 佐原駅前から千葉交通バス 県立病院・香取神宮・神里経由小見川行きに乗車、「香取神宮バス停」下車 南東方向へ約600m。
(撮影:平成25年3月13日)