地蔵院(じぞういん)(千葉県香取市新市場87)
阿弥陀種子「キリーク」を主尊とする下総板碑で、安土桃山時代 天正二年(1574)の紀年銘がある。
地蔵院(じぞういん)阿弥陀種子板碑 (安土桃山時代 天正二年 1574年、黒雲母片岩、高さ 70Cm 幅 63Cm)
本堂の左手横、横倒しになっている。板碑は駒形(五角形)の輪郭を巻き、中央に阿弥陀種子、左右に造立趣旨と紀年銘を刻む。
天蓋(てんがい)
阿弥陀種子上方に瓔珞(ようらく)を垂らした天蓋を設ける。
身部中央に阿弥陀如来の種子「キリーク」を薬研彫する。 | 刻銘:「天正二年(1574)甲戌、八月十二日」 |
身 部
阿弥陀種子「キリーク」の向って右側に「為浄金禅門」、「一周忌菩提也」、
左に「普利法界」、「天正二年(1574)甲戌、八月十二日」と刻む。
[ 天正二年(1574)八月十二日、浄金禅門の一周忌に故人の冥福を祈って造立された。]
刻銘:「普利法界」 | 刻銘:「為浄金禅門、一周忌菩提也」 |
地蔵院(じぞういん)下総板碑群(千葉県香取市新市場87)
地蔵院には、紀年銘不明の下総板碑が多数ある。
本堂、左手横の板碑群
本堂にたて掛けられた板碑七基、横倒しになっている板碑三基。
阿弥陀種子板碑 (高さ145Cm) | 阿弥陀種子板碑 (高さ 107Cm 幅 40Cm) |
阿弥陀種子板碑は、いずれも頭部山形、下に二条線、主尊は阿弥陀種子「キリーク」で、天蓋と蓮台で荘厳する。
横倒しの板碑(上、左側)は、光明遍照偈(げ)が刻まれている。両板碑とも紀年銘は、不明。
光明遍照 偈:「光明遍照(こうみょうへんじょう)、十方世界(じっぽうせかい)、念仏衆生(ねんぶつしゅじょう)、摂取不捨(せっしゅふしゃ)」
[ 光明はあまねく十方世界を照らし、念仏の衆生をば摂取して捨てたまわず。]
二連板碑、下方の板碑群
向って左は阿弥陀種子断碑、右は双式阿弥陀種子板碑が天地逆に置かれている。
身部は、阿弥陀種子を並列に、下に花瓶を刻む。 | 左側板碑、下方に刻まれた花瓶(けびょう) |
本堂横、横倒しの双式阿弥陀種子板碑 (年紀不明、黒雲母片岩、高さ 116Cm 幅 48Cm)
新福寺(しんぷくじ)阿弥陀・虚空蔵種子双式板碑 石仏と石塔-目次!
地蔵院(じぞういん)本堂
本尊は、地蔵菩薩。
*JR成田線 佐原駅前から千葉交通バス 県立病院・香取神宮・神里経由小見川行きに乗車、「香取神宮バス停」下車 南方向へ約500m。
(撮影:平成25年3月13日)