泰福寺(たいふくじ)題目板碑

 泰福寺(たいふくじ)(千葉県市川市高石神21-9)

   法華経寺第三世 日祐上人の自筆による題目三尊板碑で、泰福寺の開祖「日寂」追善の為に造立した。鎌倉時代末期 元弘二年(1332)の紀年銘がある。

泰福寺 題目板碑(市指定文化財、鎌倉時代末期 元弘二年 1332年、緑泥片岩、高さ 112Cm 下幅 35Cm)

門内右手、本堂前に立つ。題目の左右に釈迦・多宝の二仏を添え脇侍とした題目三尊式の板碑で、下方に造立趣旨と紀年銘を刻む。

板碑 頭部

頭部山形、下に申し訳程度の二条線、身部は薄い一重線の輪郭を巻く。

身部、上方の刻銘 身部、下方の刻銘

身部上方は、中央に「南無妙法蓮華経」の七字題目、左右に「南無多寶如来」、「南無釈迦牟尼佛」を刻み主題両尊(題目三尊)とする。

題目の下方中央に「為先師日寂、聖霊成等正覚」、右に「南無法主聖人」「銘日祐書之 花押

、左に「南無日高聖人」「元弘二年(1332)、壬申、七月八日」と刻む。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

身部下方の刻銘

下方中央:「為先師日寂、聖霊成等正覚」、右側:「南無法主聖人」「銘日祐書之 花押

、左側:「南無日高聖人」「元弘二年(1332)、壬申、七月八日」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

法華経寺第三世 「日祐」が、泰福寺の開祖 「日寂」の為、追善板碑として造立した。銘は日祐上人の自筆で、花押が刻まれた貴重なもの。

刻銘:「元弘二年(1332) 刻銘:「為先師日寂、聖霊成等正覚」

「日寂」は、もと天台宗浅草寺の僧で「寂界法印」といい、日蓮宗に改宗して「日寂」と称した。

題目板碑は、東京都 池上本門寺 正応三年(1290)銘が最古で、戸田市 妙顕寺の慶長三年(1598)銘を下限として蓮宗寺院

主体に造立された。主に南北朝時代以降に多く造られている。本板碑の元弘二年(1332)銘は、題目板碑としては古いものに属する。

刻銘:「南無日高聖人、元弘二年、壬申七月八日」 刻銘:「南無法主聖人」「銘日祐書之 花押

「日高上人」は、法華経寺第二世で、日祐の師にあたる。

泰福寺 本堂

板碑は、本堂の一段下、向って右側の柵内に立っている。

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泰福寺(たいふくじ)(日蓮宗)

 板碑(いたび)

* 「京成中山駅」下車、北西方向へ徒歩 約6分。

(撮影:平成25年3月13日)