金剛輪寺(こんごうりんじ)石造宝塔

 金剛輪寺(こんごうりんじ)(滋賀県愛知郡愛荘町松尾寺873)

   金剛輪寺は、湖東三山(西明寺・金剛輪寺・百済寺)の一つで、天平十三年(741)聖武天皇の勅願により僧 行基が開創したと伝える。

金剛輪寺石造宝塔 (町指定文化財、鎌倉時代後期、花崗岩、後補の請花・宝珠を除く高さ 261Cm)

首部、二段にして下段に高欄、上段に柱を刻んでいる。
本堂に向って右手(南側)、山裾を少し登った所に立っている。 軸部、側面に扉型を刻む。

屋根は降棟(くだりむね)・隅棟(すみむね)を刻出し、軒下に別石で三段の斗栱型をつくる。頂部の露盤はない。

塔身は軸部・框(かまち)・首部の三部を一石で彫成し、軸部に扉型を刻む。相輪は九輪の三輪までが残り、請花・宝珠は後補。

基 礎

基礎は四個の石を田の字状に組み、各面輪郭を巻き、それぞれ格狭間をつくる。

相輪は下から伏鉢・請花・九輪で、九輪は三輪を残し上部を欠損する。その上の竜車状の請花・宝珠は後補。

基礎を四石で造るなど、全体に守山市の懸所宝塔(重文・鎌倉時代後期)に似た造りになっている。

基 礎

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大悲閣本堂(国宝、鎌倉時代 弘安十一年 1288年、入母屋造、桧皮葺)

本堂の中には、重文級の仏像が多数安置されている。

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*新緑と紅葉の時期には近江鉄道「尼子駅」から門前までシャトルバスが出ている。公共交通機関はきわめて不便。

(撮影:平成17年10月30日、平成24年11月28日)