満蔵寺(まんぞうじ)阿弥陀三尊種子板碑

 満蔵寺(まんぞうじ)(埼玉県さいたま市見沼区大字膝子902)

   阿弥陀三尊種子と光明真言を刻んだ板碑で、鎌倉時代末期 嘉暦四年(1329)の紀年銘がある。

満蔵寺 阿弥陀三尊種子板碑(市指定文化財、鎌倉時代後期 嘉暦四年 1329年、緑泥片岩、高さ 110.5Cm 下幅 35Cm)

板碑は、境内に立っている。身部は、上方に阿弥陀三尊の種子を蓮華座上に、下方中央に紀年銘、左右に各二行 梵字光明真言を刻む。

板碑 頭部

頭部 山形、下に二段の切込、身部は一重線の輪郭を巻く。

身部上方、蓮華座上に「阿弥陀三尊」の種子を刻む 身部、下方の刻銘

阿弥陀三尊種子は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向って右下 に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を刻む。

三尊とも月輪なしに、蓮座上に刻まれている。

下方の刻銘は、中央に「嘉暦二二(四)(1329)九月廿、三、日、左右に各二行「梵字 光明真言」を刻む。

光明真言

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」「シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ」 「マ、ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ」「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

光明真言は、「不空羂寂毘廬舎那仏大灌頂光明真言経(ふくうけんじゃくびるしゃなぶつだいかんちょうこうみょうしんごんきょう)」に出る陀羅尼で、

光明真言を誦(じゅ)して土砂を加持し、それを遺体に散ずれば、罪障を除き西方極楽浄土に往生できると説かれている。

刻銘:「嘉暦二二(四)(1329)、九月廿、三、日」 光明真言の代わりに、「光明遍照 偈(げ)」を刻んだものも多い。

尚、嘉暦四年(1329)は、八月二十九日迄で、板碑の九月二十三日は改元され「元徳元年」になっている。

満蔵寺 阿弥陀三尊種子板碑 背面 (市指定文化財、鎌倉時代後期 嘉暦四年 1329年)

背面は、鑿(のみ)による加工痕が多数残っている。

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満蔵寺(まんぞうじ)(真言宗 智山派)

 板碑(いたび)

*東武野田線 「七里駅」 下車、「七里駅入口バス停」から国際バス 「さいたま東営業所」行きに乗車、「大宮東高校入口バス停」下車、北東方向へ約300m。

(撮影:平成25年3月9日)