宝積寺(ほうしゃくじ)胎蔵界大日種子板碑

 宝積寺(ほうしゃくじ)(埼玉県さいたま市見沼区深作3-38-1)

   胎蔵界大日如来の種子「アーンク」(五点具足)を主尊とする板碑で、南北朝時代 観応元年(1350)の銘がある。

宝積寺 胎蔵界大日種子板碑(市指定文化財、南北朝時代前期 貞和三年 1347年、緑泥片岩、高さ 189Cm 下幅 54Cm)
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境内参道、左手に立つ。身部は、上方に胎蔵界大日如来の種子「アーンク」、下方に造立趣旨、供養者名、紀年銘、光明真言を刻む。

板碑 頭部

頭部山形、下に二段の切込、身部は二重線の輪郭を巻く。

身部上方、胎蔵界大日如来(五点具足)の種子「アーンク」 身部下方、中央に紀年銘と供養者名、左右に造立趣旨と光明真言を刻む

刻銘は、中央に「貞和三年(1347)、丁亥、十一月九日口口阿闍梨、敬白」、左右に「悲母三十三ヶ年青石一基奉書写一乗」、

「・・・一部同読誦一千部殊法界衆生也」、大外左右に各一行「梵字光明真言」を刻む。

南北朝時代前期 貞和三年(1347)に、口口阿闍梨という僧が、亡き母 三十三回忌の供養として造立している。

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ、シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ」 「マ、ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ、ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

板碑 下方

刻銘は、摩耗が進んでいる。

文字中に青石一基とあり、本板碑が青石と呼ばれていたことが分かる。

刻銘:「青石一基」 刻銘:「貞和三年(1347)、丁亥、十一月」

東松山市には、同じ胎蔵界大日種子を主尊とする南北朝時代の代表的な板碑、阿弥陀堂墓地 胎蔵界大日種子板碑青鳥城跡 胎蔵界大日種子板碑がある。

宝積寺 胎蔵界大日種子板碑 (南北朝時代前期 貞和三年 1347年)

境内の参道脇、覆屋内に安置されている。

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宝積寺(ほうしゃくじ) (曹洞宗)

 板碑(いたび)

*JR東北本線 東大宮駅前から国際興業バス 「さいたま東営業所」行きバスに乗車、「深作中バス停」下車、北方向へ 約70m。

(撮影:平成25年3月10日)