旧 浄土寺九重石塔(堺市博物館)

 堺市博物館(大阪府堺市堺区百舌夕雲町2丁)

 明治の廃仏毀釈で廃寺になった大阪府千早赤阪村小吹の浄土寺にあったものが、転々として堺市博物館にある

旧 浄土寺九重石塔(重要文化財、鎌倉時代後期 嘉元四年 1306年、花崗岩、高さ 354Cm)

初層軸部、月輪内に金剛界四仏の種子:「タラーク」(宝生)を刻む
明治の廃仏毀釈で廃寺になった千早赤阪村 浄土寺にあったもの 初層軸部、金剛界四仏の種子:「ウーン」(阿閦)(左)と「アク」(不空成就)

初層軸層 正面

金剛界四仏のうち正面のみ仏像(蓮華座上に定印を結ぶ阿弥陀如来)を半肉彫りする

屋根の軒反も力強く、姿かたちも美しい 相輪上部に水煙が作られており、その上の宝珠は欠けている

茶室の庭園にオブジェとして配置され、苔も落とされよく手入れが行き届いて美しい。その分、長い時間にわったて石塔にしみこんだ

人々の祈りとか信仰といったものが洗い流されたみたいで少しものたりない。やはり、寺院とか墓地にあるほうがしっくりする。

基礎 北面

基礎の北面に嘉元二二(四)年(1306)の刻銘がある

 十輪院(じゅうりんいん)地蔵板碑                   石仏と石塔-目次!

堺市博物館の外部敷地に茶室が建ち、九重石塔は茶室 黄梅庵の(おうばいあん)庭園に移築されている

石造層塔紀年順  地福寺(じふくじ)五重石塔(鎌倉時代後期)  石造層塔-紀年順-目次

*JR阪和線「百舌鳥駅」下車 徒歩 約5分。堺市博物館は、施政90周年事業として昭和55年(1980)に開館した。常設のテーマは「仁徳稜」・「自由都市堺」

(撮影:平成19年8月5日)