能勢町の石造美術(9)興徳寺(こうとくじ)宝篋印塔

 興徳寺(こうとくじ)(大阪府豊能郡能勢町野間大原305)

  興徳寺は、現在 日蓮宗で、以前は天台宗。石造物は、天台宗に属していた頃の作品

興徳寺宝篋印塔(鎌倉時代後期 永仁四年 1296年、現高 約129Cm)

塔身、輪郭を彫りだし金剛界四仏の種子を薬研彫りする(アク:不空成就)
宝篋印塔は寺院裏手、墓地の入口あたりに立っている 塔身、輪郭を彫りだし金剛界四仏の種子を直接薬研彫りする(タラーク:宝生)

笠の段形は、下二段、上六段の通常形、隅飾は小さく一弧輪郭付で内は無地。隅飾はやや外傾する

塔身、輪郭を彫りだし金剛界四仏の種子を薬研彫りする(キリーク:阿弥陀)
基礎はやや背が高く、上端は二段、側面は四面とも無地 相輪は、九輪の七輪を残して欠損している

塔身、輪郭を彫りだし金剛界四仏の種子を直接薬研彫りする(ウーン:阿閦如来)

種子を挟んで「永仁四年(1296)」 「四月十三日」の紀年銘が刻まれている

  興徳寺(こうとくじ)三尊石仏(地蔵・不動・毘沙門天)

興徳寺三尊石仏(地蔵・不動・毘沙門天)(室町時代後期 天文二十四年 1555年、花崗岩、高さ 226Cm 下幅 66Cm)

高さ 226Cmの自然石に地蔵(上方中央)と不動明王(下右)と毘沙門天(下左)の三尊を刻む

下部、舟形を浅く彫りこみ不動明王(向かって右、像高22Cm)と毘沙門天(左)を浮彫にする

上部、舟形を浅く彫りこみ頭光を線刻し、蓮華座上に像高50Cmの地蔵立像を半肉彫りする。地蔵を挟んで舟形輪郭内に銘文がある

銘文:「天文廿四年(1555)乙卯本願宗燐」「十月吉日」

  興徳寺(こうとくじ)阿弥陀三尊石仏・五輪塔板碑

阿弥陀三尊石仏(室町 永禄十一年 1568年、花崗岩、高さ 115Cm) 五輪塔板碑(室町時代後期 永禄十一年 1568年、花崗岩、高さ 82Cm)

阿弥陀三尊銘文:「逆修一結衆敬白」「宗祐、常春、、正慶、道西、妙清、口慶、宗春、善久、常弥、元頂、道慶、口弥、圓口」「永禄十一年戊口十月十五日」

五輪塔板碑は、火輪と水輪の接合部に阿弥陀如来の種子「キリーク」を大きく刻み、地輪の右端に「永禄十一年卯月五日」の紀年銘がある

興徳寺 石塔・石仏群

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興  徳  寺

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*能勢電鉄 妙見口駅から阪急バスに乗車「本滝口バス停」下車、東方向へ 1200m。

(撮影:平成21年6月16日)