観音寺(かんのんじ)十三重石塔

 観音寺(かんのんじ)(大阪府東大阪市西石切町)

観音寺十三重石塔(鎌倉時代後期 永仁二年 1294年、安山岩、高さ 467Cm)

塔身、月輪内に胎蔵界四仏の種子を薬研彫する(北面、アク:天鼓雷音)
現在は、十一重だが本来は十三重であった 塔身、月輪内に胎蔵界四仏の種子を薬研彫りする(東面、ア:宝幢如来)

北面基礎に「右為比丘尼妙阿起立之、永仁二年(1294)甲午卯月八日、孝子等敬白、(以下僧名八行略)」の刻銘がある

永仁二年(1294)の造立で、年代の明らかな鎌倉時代の石造層塔として貴重

塔身、月輪内に胎蔵界四仏の種子を薬研彫りする(南面、アー:開敷華王)
塔身、月輪を大きく陰刻し胎蔵界四仏の種子を刻む(西面、アン:無量寿) 亡母 妙阿 追善のため、弥勒信仰により孝子等八人が造立した

基礎東面に「南無当来導師弥勒仏」の刻銘がある

五十六億七千万年後に現れる弥勒仏への信仰である

相輪は、コンクリートで修復され九輪も一輪欠けている 各層屋根の軒裏には一重の垂木型をつくり、全体にすっきりとしている

 蓮浄寺(れんじょうじ)十三仏板碑                            石仏と石塔-目次!

石塔は、本堂の背後に埋まっていたものを、昭和三十八年(1963)に発見され翌年に再建された

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*近鉄東大阪線(地下鉄中央線の延長)「新石切駅」下車、徒歩8分

(撮影:平成20年1月13日)