道明寺(どうみょうじ)天満宮石燈籠

 道明寺天満宮(どうみょうじてんまんぐう)(大阪府藤井寺市道明寺1-16-40)

   六角型の石燈籠で、紀年銘を有する石灯籠では、日本で三番目に古い鎌倉時代中期 康元二年(1257)の作品。

道明寺(どうみょうじ)天満宮石灯籠(市指定文化財、鎌倉時代中期 康元二年 1257年、花崗岩、高さ 176Cm)

頂部は、請花はなく、宝珠のみ。
石燈籠は、道明寺天満宮 天寿殿の中庭に立っている。 火袋は、火口と円窓が各一面、残り四面は壁面とする。

紀年銘を有する石燈籠では、四君子苑(京都市、北村美術館)にある旧 鴻池家石燈籠東大寺法華堂(三月堂)石燈籠に次いで日本で三番目古い。

笠は、背が低くゆったりとしてしており、二つ残った蕨手(わらびて)は垂直に立ちあがる。

火 袋

火袋の壁面は、上区二区横連子、中区は上半を縦連子、下区は二区。

中 台

中台は、上端に二段の請座を設け、側面はやや厚く二区、下端は単弁の蓮弁を刻出する。

竿はやや短い円柱とし、上・下端に二条、中節に三条の節があり、胴を引きしめる。竿の中節から上に大字で八行の刻銘がある。
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竿(さお)の刻銘

刻銘は右から、「奉法入、天地院、御寶殿、康元二、年(1257)丁巳、正月十、五日造、立畢」と刻む。

刻銘の天地院は、奈良 東大寺にあった天地院といわれている。

基 礎

上端は複弁反花で、中央に竿受けの円座作り出し、その周りに小蓮弁を刻み出す。

基礎の格狭間

基礎側面は、一区で各々格狭間をつくる。

道明寺(どうみょうじ)天満宮石灯籠(市指定文化財、鎌倉時代中期 康元二年 1257年)

「大阪金石志」(天岸 正男・奥村 隆彦 共著)では、「この石燈の旧所在地ついて『摂河泉』は大宰府天地院→黒田家→維新前に大阪

の某氏→現在とし、天満宮では諸大名に関係のあった大阪屋宇之助(大吉)一族が慶應二年九月にこゝへ寄進されたという。 石燈の

形式手法からみたところ大和方面の作品とみられる点があり、『大和志糧上−329頁』に和銅元年建立の天地院(号法蓮寺)があり、廃

絶したがその旧蹟は天神山といい、東大寺の北東、若草山の東にあったという、あるいはこの天地院ではあるまいか。」と記している。

 道明寺天満宮 文禄四年銘石燈籠(西側)                    石仏と石塔-目次!

道明寺天満宮(どうみょうじてんまんぐう)

祭神は菅原道真、天穂日命、覚寿尼(道真の伯母)。

明治の神仏分離で、天満宮と道明寺を分け、道明寺を西側の隣地に移転した。道明寺は、道真の伯母の覚寿尼が在住し、道真もしばしば寺を訪れている。

道明寺の本尊 十一面観音立像(国宝、平安時代)は、代用材(桧)による壇像(白檀など香木から作られた仏像)彫刻の傑作。

 石燈籠(いしどうろう)

*近鉄 南大阪線 「道明寺駅」下車、西方向へ約300m。今回、宮司さんの御好意で撮影することが出来た。

(撮影:平成26年10月25日)