法明寺(ほうみょうじ)(大阪市東成区深江南3-16-28)
二基並んで立っている層塔は、雁塚(かりづか)と呼ばれ、北塔には鎌倉時代中期 弘長二年(1262)の紀年銘がある。
法明寺石造層塔 北塔(現在四層)(鎌倉時代中期 弘長二年 1262年、花崗岩、高さ 165Cm)
初層軸部、月輪はなく顕教四仏の種子を薬研彫する(背面、バク:釈迦如来) | ||
二基の石塔は、本堂の左手側(西側)、墓地の中央に立っている | 初層軸部、月輪はなく顕教四仏の種子を薬研彫する(南面、バイ:薬師如来) |
初層 屋根
軒反(のきぞり)は緩やかで、各層屋根の上部に上層の軸部をつくりだす。軒下の垂木型は刻まれていない。
初層軸部、弥勒の代わりに地蔵菩薩の種子「カ」を刻む(正面) | 初層軸部、顕教四仏の種子を薬研彫する(北面、キリーク:阿弥陀) |
顕教四仏は通常、阿弥陀(西)、弥勒(北)、薬師(東)、釈迦(南)に配置される。法明寺層塔は、弥勒(ユ)の代わりに地蔵(カ)が刻まれ、配置も変則的になっている
四層目 屋根
寄棟造(よせむねづくり)で、層塔の相輪形式になっていない。当初のものかは不明。
初層軸部の刻銘(向かって左側):「造立之沙弥口 ・・・・・」 | 初層軸部の刻銘(右側):「弘長二年(1262)壬戌八月六日」 |
初層軸部 正面(西面)に、地蔵の種子「カ」を挟んで左右に刻銘があり、鎌倉時代中期 弘長二年(1262)の造立と知れる。
法明寺 石造層塔
層塔は、一重の低い基壇上に立っている
二基並んで立っている層塔は、雁塚(かりづか)と呼ばれている
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*近鉄奈良線「布施駅」下車、北方向へ徒歩 約10分。
(撮影:平成22年9月29日)