千光寺(せんこうじ)三尊種子板碑

 千光寺(せんこうじ)(岡山県赤磐市中島350)

  天平勝宝年間、報恩大師が建立した備前四十八カ寺の一つ。往古は法相宗で、現在は天台宗の寺院

千光寺三尊種子板碑(県指定文化財、南北朝時代 暦応三年 1340年、花崗岩、高さ 205Cm)

板碑は上下二石を継ぎ合わせる。頂部山形で二段の切込みを施し、身部上方正面に釈迦三尊の種子を薬研彫りする

釈迦三尊の種子:上部に大きくバク(釈迦如来)、下向かって左にマン(文殊菩薩) 右に通常のアン(普賢)に代わるウーン(普賢菩薩)を刻む

千光寺は天平勝宝年間(749-57)に孝謙天皇の勅願により建立された備前四十八ヶ寺の一つ

身部下方正面に、紀年名と造立の趣旨を刻む銘文を刻む 千光寺三重塔(江戸中期 明和二年 1765年、本瓦葺、高さ 20.65m)

板碑下方銘文:「為僧覚有、三十三秊、暦応三(1340)庚辰二月十五日」

板碑は、僧覚有(かくゆう)の三十三回忌追善供養のため造立された

三重塔は邑久郡の名工、尾形庄助を棟梁として江戸時代中期の明和二年(1765)に建立された

三重塔本尊、胎蔵界大日如来像

三重塔の内部は四天柱、来迎壁、須弥壇を置き胎蔵界大日如来を安置する

  千光寺(せんこうじ)宝篋印塔

千光寺宝篋印塔(町指定文化財、江戸時代中期 享保十九年 1734年、花崗岩、高さ 約150Cm)

塔身は極端に小さく、笠の隅飾は大きく外に開いて、この時代の特色を表している。基礎に「河本村佐佐木源左衛門・・・享保十九年甲寅七月」の銘文がある

千光寺境内、石段の上が本堂

笠  塔  婆

仁王門の近くにあった。笠が欠失し、頂部の枘が見えている。上部二段にわたって、石仏が彫ってある

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千光寺仁王門(江戸時代後期 天命六年 1786年、入母屋造、本瓦葺)

仁王門は、古い木材と新しい木材が入り混じる。三間一戸の柱は、欅で総て円柱。本堂は、仁王門より東に約600m

 板碑(いたび)

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*山陽本線の瀬戸駅から入ったが、タクシーを使わないで路線バスを利用するなら、岡山駅から宇野バスを利用するのが便利。三重塔を撮りに行った時の写真。

(撮影:平成17年9月3日)