本久寺(ほんきゅうじ)五重石塔

 本久寺(岡山県和気郡和気町佐伯473)

  太王山(たいおうざん)上にあった密厳寺(真言宗)を、天正11年(1583)に領主浮田忠家が、この地に一部を移し日蓮宗に改修し本久寺と改めた

本久寺五重石塔(県指定文化財、鎌倉時代後期 元亨四年 1324年、花崗岩、高さ 288Cm)

初層軸部(正面)、舟形を彫りくぼめ蓮華座上に薬師如来坐像を半肉彫りする
五重石塔は、本堂の向かって左側 奥に立っている 初層軸部(左面)、舟形を彫りくぼめ蓮華座上に、地蔵菩薩坐像を半肉彫りする

各層の屋根と軸部を別々の石で積み上げている。三層目の屋根とその上の軸部のみ一石で作られ、別物と考えられている

初層軸部(背面)、舟形を彫りくぼめ蓮華座上に阿弥陀如来坐像を刻む
初層軸部(右面)、宝瓶に入れた蓮華を左手に持つ観音菩薩坐像を刻む 石塔は、密厳寺跡にあったものを、天明四年(1789)に現在地に移した

基礎は、四面とも無地で刻銘はない

相輪は、頂部 宝珠の下、請花が欠けている 五重石塔は、自然石を積上げた基壇上に立っている

初層軸部の「薬師如来」と「観音菩薩」の両側に刻銘がある

刻銘:「敬白、天長地久、御願円満、勧進沙門仏子行海、結縁衆、氏人等、敬白、元亨四年(1324)甲子二月二十二」

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本久寺 山門

門の奥に見える修理中の建物は、本堂(県文、桃山時代 天正十一年 1583年、桁行五間 梁間六間、入母屋造、本瓦葺)

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*JR山陽本線 和気駅前より備前片鉄バス 柵原(やなはら)病院前方面行き乗車、「矢田バス停」下車 徒歩 約30分。本数が少ないため注意。和気駅から本久寺までは、徒歩 約90分

(撮影:平成20年12月19日)