空海寺(くうかいじ)(奈良県奈良市雑司町167)
空海寺地蔵十王石仏(室町時代後期、花崗岩、高さ 180Cm 像高 133Cm)
別石の蓮華座上に立ち、像高 133Cm、右手錫杖、左手宝珠の地蔵を厚肉彫りする。光背の左右に十王像が配されている |
台石に「矢田地蔵尊模信心施主他力造立」、花立てに挟まれた線香立石に「矢田山文照上人寄付」の刻銘がある
もと大和郡山市の「矢田寺(やたでら)」にあったものが常福寺(明治初年に廃寺)に移され、その後 空海寺に移された
向かって左側の十王像 五体 | 向かって右側の十王像 五体 |
十王は冥界で死者の罪を裁く十人の王で、初七日に秦広王、二七日に初江王、三七日に宋帝王、四七日に伍官王、五七日に閻魔王、六七日に変成王、七七日に太山王、
百箇日に平等王、一周年に都市王、三周年に五道転輪王のところで裁きを受ける。地蔵十王石仏は、十王の裁きを受けた後、地獄から地蔵尊に救済されることを願ったもの
空海寺地蔵石仏(桃山時代 天正十二年 1584年、安山岩、高さ 94Cm)
光背の頂部に地蔵の種子「カ」を大きく刻み、地蔵立像を半肉彫りする。地蔵の左側に「天正十二年甲申正月八日」の紀年銘がある
空海寺背光五輪板碑(室町時代後期 永禄八年 1565年、安山岩)
火輪部に阿弥陀如来の種子「キリーク」、水輪部に「法界」、地輪部に法名・俗名・紀年銘「永禄八年乙丑、七月廿四日」を刻む
空 海 寺
本尊は「穴地蔵」と呼ばれる秘仏の等身大地蔵石仏で、左右に聖徳太子・不動明王を配し、石龕(せきがん)内に安置されている
*奈良交通バス「手貝町バス停」下車、東方向へ約450m。
(撮影:平成21年7月29日)