五劫院(ごこういん)地蔵石仏 三体

 五劫院(ごこういん)(奈良県奈良市北御門町24)

  五劫院 見返り地蔵石仏(永正十三年銘)

五劫院見返り地蔵石仏(室町時代中期 永正十三年 1516年、安山岩、高さ 200Cm 像高152Cm)

お顔をやや左に曲げた珍しい見返り地蔵で、体を斜めにして歩行する姿を表す。右手錫杖、左手宝珠を持つ地蔵を厚肉彫りする。

光背の左右に、細字で「右意趣者東大寺花厳恵順・・・・、御菩提奉造立供養者也・・・・」「永正十三・・・・」の刻銘がある

  五劫院 地蔵石仏(見返り地蔵の右横)

五劫院(ごこういん)地蔵石仏 (室町時代中期、花崗岩、高さ 200Cm 像高 152Cm)

蓮華座上に立つ像高 152Cmの地蔵を厚肉彫りする。右手錫杖、左手宝珠の通常の形だが、像は技術的にも優れ、洗練された美しさをもつ

頭上に阿弥陀の種子「キリーク」を刻み、光背の向かって左側に「念佛講中」、右側に「三界万霊」と刻み、下面に法名を多数刻む

  五劫院墓地 地蔵十王石仏

五劫院墓地 地蔵十王石仏(室町時代後期、花崗岩、高さ 197Cm 像高 145Cm)

高さ197Cm 幅 91Cmの長方形の花崗岩に、像高 145Cm、右手錫杖、左手宝珠の地蔵を厚肉彫りする。光背の左右に十王像を配する

十王は冥界で死者の罪を裁く十人の王で、初七日に秦広王、二七日に初江王、三七日に宋帝王、四七日に伍官王、五七日に閻魔王、六七日に変成王、七七日に太山王、

百箇日に平等王、一周年に都市王、三周年に五道転輪王のところで裁きを受ける。地蔵十王石仏は、十王の裁きを受けた後、地獄から地蔵尊に救済されることを願ったもの

五劫院 本堂

本尊は螺髪(らほつ)が長くのびた珍しい形の木造五劫思推阿弥陀如来坐像(重要文化財)。本尊開扉は8月1〜12日

 般若寺(はんにゃじ)十三重石塔                        石仏と石塔-目次!

五  劫  院 (五劫院は、東大寺の末寺)

 石  仏-紀年順-目次

*近鉄奈良駅前から奈良交通バス青山住宅方面行き乗車、「今在家バス停」下車 今在家交差点を東方向へ約300m。

(撮影:平成21年7月29日)