鳳閣寺(ほうかくじ)石造宝塔

 鳳閣寺(ほうかくじ)(奈良県吉野郡黒滝村鳥住90)

  宝塔は理源大師聖宝の廟塔で、南北朝時代 伊派石大工 井行長の作、精密な作品は我国石塔中一番といわれる

鳳覚寺石造宝塔(重要文化財、南北朝時代 正平二十四年 1369年、花崗岩、高さ 210Cm)

石塔は、鳳閣寺の奥、徒歩 約10分の所、覆屋に囲まれて立っている 相輪は、精密に彫られ通常の九輪が七輪になっている

笠は上部に二区円文入り露盤、四方に降棟・鬼瓦を刻出し、軒口に薄く一段を作り桧皮葺屋根とするなど精巧に作っている

笠軒裏は、木造塔と同じ二軒繁垂木を精密に刻んでいる
塔身首部は、平三斗や間斗束など写実的な高欄を刻む 木彫を思わせる見事な建築工芸品、さらに在銘石塔で完存する

台石背面、二区格狭間内の刻銘:「勧進、圓信」「大工、薩摩権、守行長」

塔身軸部と方形請座

塔身軸部は四方に桟唐戸、正面の扉には上に竪連子、その下に雲上にのる日月、扉下方の腰は四方とも二区に分け花菱文を陽刻する

壇上積基壇の上に、側面三区の複弁反花座、その上に正面が亀の頭部と前肢を刻出、他の三面は二区格狭間入りの台石を設け、上に覆輪つき単弁の方形請座を置く

台石左面二区格狭間内の刻銘:「鳳閣寺、尊師、口廟塔」「正平廿四(1369)、年己酉十月、二十七日」

台座、正面は亀の頭部と前肢を刻出する
伊派大工 行長の作品で、精緻な彫技の極限を見る最高傑作 壇上積基壇基壇は、二区に分け夫々格狭間を入れる

台石右面二区格狭間右面内の刻銘:「奉加僧、一万八千、二十三人」

正面亀の台石、正面以外の三面は二区に分け格狭間内五面に刻銘を刻んでいる

鳳閣寺にある宝塔のレプリカ 鳳閣寺を下った分かれ道にある地蔵峠の地蔵石仏(南北朝時代)

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鳳 閣 寺

寺伝によれば白鳳六年(678)役行者の創建とも理源大師聖宝が寛平七年(895)に開いたともいわれている

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*近鉄 下市口駅前から奈良交通バス 中庵住(なかいおずみ)・洞川温泉行き乗車、「黒滝案内センターバス停」下車、このバス停横に黒滝ふれあいバスの「309案内センターバス停」があり、ふれあいバス鳥住(とりずみ)行きに乗車、終点「鳥住バス停」下車 徒歩 約30分。時間帯により「小学校前バス停」で鳥住行きに乗り換える必要あり。

(撮影:平成21年5月11日)