奥(おき)石造宝塔(和歌山県有田郡有田川町奥)
奥(おき)石造宝塔(県指定文化財、南北朝時代中期 文中三年 1374年、砂岩、高さ 163Cm)
笠は頂部に露盤、四隅に三筋の降棟、先端に稚児棟を表現している | ||
宝塔は、長楽寺の南 約300m、ゴミ集積場の横に宝篋印塔と共に立つ | 塔身上部は、首部のみで一段 |
塔身軸部
四方に大和系の精巧な桟唐戸を刻みだす。
砂岩製の石塔は傷みやすく、相輪は上部を欠損する | 笠は軒反がほとんどなく直線的、大和の来迎寺塔(重文)に似ている |
基礎、正面
基礎は、四面とも無地で正面に刻銘があり、紀年は南朝系。
刻銘:「右為報仏恩酬祖(欠)、励随分懇志切一碁石塔、願以造塔之善根、皆救一切之衆生」「文仲三(1374)甲寅六十五日正位敬白」
基礎下、複弁の反花座(かえりばなざ)
長楽寺(ちょうらくじ)(和歌山県有田郡有田川町植野348)
寺伝によれば13世紀の末、法燈国師心地覚心(1207〜1298)の隠居所として創建された。現在、臨済宗妙心寺派の寺院。
笠は下二段、上六段の通常型、隅飾は二弧で輪郭がなく無地 | ||
長楽寺宝篋印塔(鎌倉時代後期) | 目視によれば、塔身は四面とも何も刻まれておらず素面 |
寺の説明板によれば、宝篋印塔は法燈国師の墓と伝えられ、重要美術品に指定されている。さっぱりとした美しい宝篋印塔
基礎上端は二段、側面は四面とも輪郭を巻き内に鎌倉時代後期風格狭間をつくる)
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長楽寺(ちょうらくじ)仏殿(重要文化財、桃山時代 天正五年 1577年再建、禅宗様式)
本尊は、阿弥陀如来座像(町文、平安時代後期)
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*JR紀勢線「藤並駅」東南東方向へ徒歩 約25分。長楽寺より南方向へ約300m。家庭ゴミの集積場の隣。ゴミ集積場の方から入る為、普段は鍵がかかっている。有田川町の教育委員会(電話:0737-32-3111)に予め連絡を入れ、日程調整をすれば鍵を開けてくれる。
(撮影:平成21年3月17日)