円成寺(えんじょうじ)十三重石塔

 円成寺(えんじょうじ)(奈良県奈良市忍辱山町1273)

  聖武・孝謙 両天皇の勅願により唐僧 虚瀧(ころう)和尚の開基と伝えられる真言宗御室派の寺院

円成寺(えんじょうじ)十三重石塔(重要美術品、平安時代後期、凝灰岩、高さ 約450Cm)

初層軸部、月輪内に顕教四仏の種子を底平彫り式で刻む(バク:釈迦)
石塔は、円成寺楼門の前より 西へ約20mの所に立っている 初層軸部、顕教四仏の種子を底平彫り式で刻む(キリーク:阿弥陀)

初層・二層部 屋根

屋根の軒反(のきぞり)はゆるく、軒下に一重の薄い垂木型を刻出する

初層軸部、月輪内に顕教四仏の種子を底平彫り式で刻む(ウーン:阿閦)
基礎、高さ 15Cmで幅 65Cm、初層軸部の幅が61Cmなので幅が狭い かなり壊れているが、独特の雰囲気を醸す美しい石塔だ

顕教(けんぎょう)四仏では東面が薬師如来だが、阿閦・薬師同体の密教思想から薬師の位置に阿閦如来をおいている

基礎上面で、十三重石塔を支えているのだが、倒れないのが不思議なくらい傷んでいる

円成寺多宝塔(平成2年再建) 多宝塔本尊 大日如来(国宝、平安時代)

多宝塔の本尊大日如来は、運慶25歳頃の作品で、平安時代末期の安元二年(1176)十月十九日に完成し寺へ奉納した

 円成寺(えんじょうじ)の石仏                            石仏と石塔-目次!

円成寺庭園(国名勝、平安時代)と楼門(重要文化財、室町時代)

庭園は寛遍僧正が築いたと伝えられる寝殿造系庭園で、楼門は応仁二年(1468)の再建

層塔紀年順  於美阿志(おみあし)神社 十三重石塔(平安時代後期)  石造層塔-紀年順-目次

*JR・近鉄「奈良駅」より奈良交通バス柳生方面行きに乗車、「忍辱山(にんにくせん)」バス停下車、徒歩2分。

(平成19年3月25日、平成22年6月10日)