本源寺(ほんげんじ)康永五年銘 題目石塔婆

 本源寺(ほんげんじ)(宮城県登米市中田町宝江新井田字上待井88)

   法華経 方便品に出る偈(げ)を刻む題目板碑で、南北朝時代 前期 康永五年(1346)の紀年銘がある。

本源寺(ほんげんじ)康永五年銘 題目板碑(南北朝時代前期 康永五年 1346年、粘板岩)

頭部水平、中央に「南無妙法蓮華経」の題目、その左右に法華経 方便品に出る偈、下方に願文と紀年銘を刻む。

石塔婆 上部

題目の左右に法華経 方便品に出る偈(げ)「若有聞法者、無一不成仏」を刻む。

東北型の題目板碑は、七字題目の左右に偈(げ)を刻み、武蔵型 題目板碑と異なる配置になっている。

刻銘:「若有聞法者」   「無一不成仏」

法華経方便品に出る偈(げ)

偈(げ):「若有聞法者(にゃくうもんぼうしゃ)、無一不成仏(むいちふじょうぶつ)

[ 若し法を聞くことあらん者は、ひとりとして成仏せずということはない。 ]

石塔婆 下部

左右に「右為口口妙霊」、「成仏得道也」、下方に「康永五年(1346)十二月、廿七日、敬白」の刻銘がある。

石塔婆 下部中央(紀年銘)

刻銘:「康永五年(1346)、十二月、廿七日」

尚、康永年号は康永四年十月二十日迄で、康永五年は改元され貞和二年になる。

本源寺(ほんげんじ)石塔婆群

覆屋内、向って左から二基目の小石塔婆が康永五年(1346)銘題目石塔婆

 本源寺(ほんげんじ)応永十八年銘 題目石塔婆                石仏と石塔-目次!

本源寺(ほんげんじ)

鎌倉時代中期 弘安六年(1283)日蓮正宗第三祖 日目上人により開かれる。

現在は、日蓮正宗から分離した正信会(しょうしんかい)が運営。

 板碑(いたび)

*JR気仙沼線 柳津(やないず)駅前から登米市民バス 津山線に乗車、「新井田バス停」下車、南方向へ 約4分。

(撮影:平成26年 4月11日)