(仙台市史 No:I 1-1)
中田柳生(なかだやなぎう)古碑群 [宮城県仙台市太白区柳生(やなぎう)字北35 ]
仙台市で最古 鎌倉時代中期 文永十年(1273)二月の紀年銘を持つ石塔婆。金剛界大日種子を主尊とする。
中田柳生 金剛界大日種子石塔婆(鎌倉時代中期 文永十年 1273年、安山岩、高さ 72Cm 幅 38Cm 厚さ 36.9Cm)
柳生地区は仙台市の南端で、名取市 熊野神社に隣接し、平安時代後期から東北地方における熊野信仰の中心地にあたる。 |
石塔婆は、民家の西北隅に屋敷神として祀られている。名取川の河原石を利用、碑面中央に大きく金剛界大日種子「バン」、下方に願文・紀年銘を刻む。
石塔婆 下部
中央に「文永十(1273)、癸酉、二月日」、左右に「右志者為聖霊」、「往生極楽」と刻む。
文永十年(1273)の紀年銘は、仙台市内に三基あるが、その中で二月(他は、五月九日と八月二十四日)銘は一番若い。
中田柳生(なかだやなぎう)古碑群 [宮城県仙台市太白区柳生(やなぎう)字北35 ]
金剛界大日種子「バン」を主尊とする古い石塔婆で、鎌倉時代中期 弘安四年(1281)の紀年銘がある。
中田柳生 金剛界大日種子石塔婆(鎌倉時代中期 弘安四年 1281年、安山岩、高さ 51.2Cm 幅 27Cm 厚さ 24Cm)
名取川の河原石を利用、碑面中央に大きく金剛界大日種子「バン」、下方に「弘安四年(1281)八月」の紀年銘を刻む。 |
石塔婆 頭部
石塔婆中央、金剛界大日如来の種子「バン」を薬研彫する。 | 刻銘:「弘安四年(1281)八月」 |
中田柳生(なかだやなぎう)古碑群
民家の庭、五基の古碑が屋敷神として祀られている。以前は、当地より東へ約300mの路傍に立っていたという。
仙台市内最古の文永十年(1273)二月銘は、向って左端。弘安四年(1281)銘は中央に安置されている。
*東北本線「南仙台駅」下車、西方向へ徒歩 約30分。
(撮影:平成25年10月10日)