長谷寺(ちょうこくじ)石塔婆群 (宮城県石巻市真野字萱原 2)
大日(胎)種子と「南無阿弥陀仏」の六字名号を刻んだ複合石塔婆で、鎌倉時代後期 元亨四年(1324)の紀年銘がある。
長谷寺 胎蔵界大日種子石塔婆(鎌倉朝時代後期 元亨四年 1324年、粘板岩、高さ 220Cm 幅 70Cm 厚さ 20Cm)
二メートルを超える大型の石塔婆で、観音堂へ登る石段の登り口に立つ。
身部は、上方に大日(胎)種子、その下に紀年銘と六字名号、下方は遊行念仏者が結衆し往生極楽を願う銘文が刻まれている。 |
身部 上方
胎蔵界大日如来の種子「ア」を刻む。
本碑は遊行念仏者の結衆石塔婆だが、阿弥陀種子ではなく大日(胎)種子が刻まれている。
身部、種子の下
種子の下、中央に「元亨二二(四)年(1324)、甲子、十月十五日、敬白、慈父」、
その両側に「南無阿弥陀仏」の六字名号が刻まれている。
身部 下方
刻銘は五行で「右志者為遊行、念仏結衆等四十、五人各々此間々念、仏往生極楽也」と刻む。
遊行念仏者が四十五人結衆し、極楽往生を願って本石塔婆を造立した。
長谷寺(ちょうこくじ)石塔婆群 (宮城県石巻市真野字萱原 2)
金剛界大日種子「バーンク」を主尊とする石塔婆で、鎌倉時代後期 元応三年(1321)の紀年銘がある。
長谷寺 金剛界大日種子石塔婆(鎌倉朝時代後期 元応三年 1321年、粘板岩、高さ 154Cm 幅 50Cm 厚さ 12Cm) |
参道横の石塔婆群、前から三列目に立つ。身部は、上方に金剛界大日種子「バーンク」(五点具足)、下方は紀年銘のみを刻む。
刻銘:「元應三年(1321)、辛酉、二月廿一日」
身部 上方
金剛界大日如来の種子「バーンク」を刻む。
「バーンク」は、発心(命点)・修行・菩提(空点)・涅槃・方便究竟の五点を備えた形。
刻銘:「元應三年(1321)、辛酉、二」
長谷寺(ちょうこくじ)石塔婆群 (宮城県石巻市真野字萱原 2)
釈迦種子「バク」を主尊とする石塔婆で、鎌倉時代後期 正中二年(1325)の紀年銘がある。
長谷寺 釈迦種子石塔婆(鎌倉時代後期 正中二年 1325年、粘板岩、高さ 123Cm 幅 30Cm 厚さ 7Cm) |
-観音堂への最初の石段を登りきった右手に立つ。身部は、上方に釈迦種子「バク」、下方は願文と紀年銘を刻む。
下方の刻銘:「右志者為口霊逆・・・」、「正中二年(1325)、乙丑、二月二十五日、口口」
身部 上方
釈迦如来の種子「バク」を刻む。
長谷寺(ちょうこくじ)境内の石塔婆
石段の登り口に元亨四年(1324)銘 大日(胎)種子石塔婆、登りきった右手に正中二年(1325)銘釈迦種子石塔婆が立つ。
*JR石巻線 陸前稲井駅から北東方向へ 約5.0Km。当地域は、地元住民を対象にした乗合タクシーがあるだけで、バスの便はない。
(撮影:平成26年4月13日)