高木(たかぎ)観音堂二尊種子石塔婆

 高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 (宮城県石巻市高木字竹下)

   勢至種子と地蔵種子を刻んだ一周忌の石塔婆。南北朝時代前期 貞和五年(1349)の紀年銘がある。

高木観音堂 二尊種子石塔婆 (南北朝時代前期 貞和五年 1349年、粘板岩、高さ 150Cm 幅 30Cm 厚さ 20Cm)

石塔婆は前から五列目に立つ。身部は、上方に勢至種子「サク」と地蔵種子「カ」、下方は一周忌の造立趣旨と紀年銘を刻む。

身部上方、二尊種子

上側が一周忌の本尊 勢至菩薩の種子「サク」、下が地蔵菩薩の種子「カ」

石塔婆、下部の刻銘 刻銘:貞和五年(1349)二月」

刻銘は、中央に「貞和五年(1349)二月十七日 施主 敬白」

向って右に「右志者為過去慈阿一周忌、左に「往生極楽乃至法界同利益也と刻む。

本石塔婆は、「慈阿一周忌」の追善供養のため造立された。尚、本石塔婆群には、「慈阿三十五日忌」建てられた地蔵種子石塔婆もある。

高木(たかぎ)観音堂胎蔵界大日種子石塔婆

 高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 (宮城県石巻市高木字竹下)

   胎蔵界大日種子「アーク」を主尊とする石塔婆で、南北朝時代前期 貞和四年(1348)の紀年銘がある。

高木観音堂 胎蔵界大日種子石塔婆(南北朝時代前期 貞和四年 1348年、粘板岩、高さ 125Cm 幅 40Cm 厚さ 12Cm)

石塔婆は前から五列目に立つ。身部は、上方に胎蔵界大日種子「アーク」、下方は造立趣旨と紀年銘を刻む。

身部 上方

胎蔵界大日如来の種子「アーク」を刻む。

筆で書いたそのままを薬研彫しており、味のある梵字に仕上がっている。

石塔婆、下部の刻銘 刻銘:貞和四(1348)

刻銘は、中央に「貞和四(1348)・・・・・・・、向って右に「夫造立塔婆者口慈阿弥と刻む。

阿弥号をもつ人物「慈阿弥」の名がある。「慈阿」本人か又は別の人物か、興味深い。

高木(たかぎ)観音堂金剛界大日種子石塔婆

 高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 (宮城県石巻市高木字竹下)

   追善供養のため造立された石塔婆で、金剛界大日種子「バン」を主尊とする。南北朝時代前期 貞和年間(1345~50)の在銘。

高木観音堂 金剛界大日種子石塔婆(南北朝時代前期 貞和年間 1345~50年、粘板岩、高さ 75Cm 幅 34Cm)

石塔婆は前から四列目に立つ。身部は、上方に金剛界大日種子「バン」、下方は造立趣旨と紀年銘を刻む。

身部 上方

金剛界大日如来の種子「バン」を薬研彫する。

※ 高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 一覧

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石塔婆、下部の刻銘 刻銘:貞和口(1345~50)十一月」

刻銘は、中央に「貞和口(1345~50)十一月、孝子、敬白

向って右に「右志者為口口」、左に「幽儀往生極楽也と刻む。

 板碑(いたび)

*JR石巻駅から北東方向へ 約7.7Km。石巻駅前のレンタカーの店で、自転車を借りるのが便利。

(撮影:平成26年4月13日)