高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 (宮城県石巻市高木字竹下)
本石塔婆群には二基の図像石塔婆があるが、その内の一基で南朝年号 興国二年(1341)の紀年銘がある。
高木観音堂 地蔵図像石塔婆 (南北朝時代前期 興国二年 1341年、粘板岩、高さ 75Cm 幅 48Cm 厚さ 4Cm)
石塔婆は前から四列目に立つ。石塔婆は上方を欠損し、地蔵立像の頭部上半を欠く、下方は造立趣旨と紀年銘を刻む。 |
身部 上方
一重の枠線内に、頭光を負い蓮華座上に立つ地蔵菩薩を刻む。
石塔婆、下部の刻銘
下方の刻銘は、中央に「興国第二年(1341)七月三日、施主、敬白」、
向って右に「右志趣者為禅智大姉逆修善根」、左に「佛果菩提乃至法界平等利益と刻む。
上方、地蔵菩薩立像 | 刻銘:「興国第二年(1341)」 |
高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 (宮城県石巻市高木字竹下)
三十五日忌に造立された石塔婆で、その本尊 地蔵種子「カ」を刻む。南北朝時代前期 貞和四年(1348)の紀年銘がある。
高木観音堂 地蔵種子石塔婆(南北朝時代前期 貞和四年 1348年、粘板岩、高さ 104Cm 幅 36Cm 厚さ 6Cm)
石塔婆は前から四列目に立つ。身部は、上方に地蔵種子「カ」、下方は造立趣旨と紀年銘を刻む。
身部 上方
三十五日忌の本尊 地蔵菩薩の種子「カ」を薬研彫する。種子の上方に、宝珠を二つ刻み荘厳する。
武蔵型板碑では、種子の上方に三弁宝珠を刻むことは、ままある。
石塔婆、下部の刻銘刻銘は、中央に「貞和二二(四)年(1348)、大才、戊子二月上旬、施主、敬白」、
向って右に「右志者為過去慈阿三十五日」、左に「口口口口往生極楽故也と刻む。
南北朝時代前期 貞和四年二月上旬に、慈阿三十五日忌の供養として、本石塔婆が造立された。
尚、本石塔婆群には「慈阿一周忌」に建てられた二尊種子石塔婆もある。
刻銘:「貞和二二(四)年(1348)、大才、戊子、二月」 | 刻銘:「慈阿三十五日」(阿号がついている) |
高木観音堂(かんのんどう)石塔婆群 (四列目と五列目)
観音堂の境内に、五列に並べられ約90基の石塔婆が立つ。
*JR石巻駅から北東方向へ 約7.7Km。石巻駅前のレンタカーの店で、自転車を借りるのが便利。
(撮影:平成26年4月13日)